八章 戦いの後�� ページ2
ー神羅高等学校 屋上
「あれから数日が経ったのか……早いな……」
昼休みの時間、紫音は一人で学校の屋上に来ていた。
「私も特訓のおかげで少しは長く能力を使えるようになったけど、まだまだだな……」
紫音がそう独り言を吐くと、屋上の扉が開いた。屋上に入ってきたのは、もみじだった。
「おっ。奇遇やな〜まさかこんなところで会うとはね〜」
「あ、そういえばもみじ先輩一緒の高校でしたね。どうしてここに来たんですか？」
「ちょっと風にあたりたくて来たんよ〜なかなか屋上に来れる学校って少ないんやで？」
「え？そうなんですか？私小・中学校屋上行けてたので、行けるのが普通だと思ってました」
「へぇ〜それは珍しいな〜」
「……あのもみじ先輩聞きたいことがあるんですけど」
「どうしたん？」
「私の能力についてどう思います？」
「たしか……狐火を操る能力だったけ？うーん……どう思ってるか〜とても魅力的な能力やと思うよ〜でも制限があるのがちょっと欠点やなって感じかな」
「そうですか……合宿のおかげで少しは使えるようになったのですけど、まだまだ限度があるそうで……」
「……僕は君のような能力に制限を持っている人を何回か見たことあるで。最初の頃はすごく大変そうやったけど、ちゃんと自分の能力と向き合ったからなのか、数年経ったら完璧に使えこなせるようになったで。紫音ちゃんも一回自分の能力と向き合ってみてはどうや？」
「なるほど……でも向き合うってどうすれば……」
「それは自分で考えることやな。実際僕もわからんし。じゃ、そろそろ僕は教室に戻るわ。紫音ちゃんまたね」
もみじはそう言うと、教室へと戻っていった。
「能力と向き合う……か」
ー神羅高等学校周辺 上空
神羅高校周辺の屋上に先程の紫音ともみじの様子を監視していた者がいた。その者は金色のポニーテールで綺麗な青色の瞳をした少女だった。どうやら誰かと通信をしているようだった。
「……異能力者2名を確認しました。これで現在監視している異能力者すべての生存を確認しました。この後どうしますか？」
『一旦アジトの方へ戻ってください。そこで作戦会議をします』
「……承知しました。では今から戻ります」
金髪の少女はそう返答すると、どこかへ行ってしまった。
次回に続く
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ムラサ | 作成日時：2020年5月15日 17時
