イレギュラー (ページ10)

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二章試験② ページ10

「あの……」

「おお来たね。ごめんね急に呼び出しちゃって」

「いえ大丈夫です。それで僕に何の用ですか？」

「その前に自己紹介しておかないとね。私は蒼鳥紫音。君とは一個うえの高校二年生。よろしくね」

「僕は月詠Aです。よろしくお願いします」

「A君だね。よろしく。早速なんだけど、昼休みって空いてる？体育とか移動教室とかないかな？」

「一応空いてますけど……」

「そっか。なら昼休みに旧校舎一階の空き教室に来てくれるかな？」

「あ、はい。わかりました。旧校舎一階の空き教室ですね」

「そうそう。あと……君一人で来てね。よろしくね」

紫音先輩はそう言うとその場から立ち去っていった。

「……お前、紫音先輩と知り合いだったのか？」

いつの間にか那珂川くんが僕に話しかけてきた。

「うん……ちょっとね……って那珂川くん、あの人のこと知ってるの?!」

「まあ……な」

ー旧校舎一階空き教室
僕はお昼ご飯を食べ終わった後、一人で旧校舎の空き教室の前まできた。

「……空き教室ってここで合ってるのかな？他にも空き教室はあるんだけど……」

僕は少し空き教室を覗いてみた。そこには腕まくりをしている紫音先輩がいた。先輩がいたことを確認し、僕は教室のドアを開けた。

「失礼します。お待たせしてしまいすみません」

「……ようやく来たね。ちゃんと一人で来たよね？」

「は、はい……」

「ならば良し。今日私が君を呼んだのには理由があってね……君昨日覚醒したんだよね？」

「なっ!?なぜそのことを……?!」

「私も異能力者でね。神祇から君を監視するように頼まれてね」

「異能力者？神祇？」

「おっと。まずはそこから説明しないとね。まず異能力者は私たちみたいに特殊な能力を持っている人のことを指す。でも特殊な能力を持っているのは、日本の人口の約1割だけだと言われている。私たち異能力者はまがれという化け物と戦わなきゃいけない使命があるの。まがれって言うのは、昨日君が倒したあの化け物のことね。まがれは異形界という私たちが住む人間界とは違う世界に住んでいて、時々人間界に来ては人々を連れ去って自分たちの食料として人間を食べるの。そのまがれを倒すために作られたのが、神祇。神祇には私たち異能力者しか所属していない組織なの。私たちは毎日そのまがれと戦っているの。それで本題に入るんだけど、異能力者の力に目覚めた君には……神祇に入るために試験を受けてもらうね」

次回に続く