イレギュラー (ページ8)

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一章転校生⑤ ページ8

「な、なんであいつがこんなところに……!?」

「お、おい！そいつなんかより、この僕が相手してやる!!かかってこいよ!!」

「あいつ……馬鹿か……!!」

(だってさ今までヒーローみたいにカッコつけたことなかったし、一回こういうのやってみたかったんだよな。そんなこと思ってる場合じゃないけどね……)

大型のまがれは叫びながら、僕のいる方に向かってきた。

(短い人生だったけど、意外と楽しかったな……最後に人を助けることができてよかったな……)

僕は死ぬ覚悟を決め、力強く目をつぶった。その時。

『お主諦めるにはまだ早いぞ』

突然男の人の声がしたかと思い、目を開けるといつの間にか真っ白な空間にいて、目の前には着物を着た男の人がたっていた。

｢え？誰？それにここはどこ？｣

『そんなこと今はどうでも良い。お主にはまだ死んでしまっては困る。そこで我の力をお主に託す。我の力を使い、まがれを倒すのだ』

｢そんなこと急に言われても……」

『お主の覚悟はそれぐらいのものなのか？お主は友を助けようとするのではなかったのか？』

「そ、それは……」

『ええい!!うじうじするのではない!!男なら、覚悟を決めたのなら自信を持て!!』

「!!……わ、わかった！僕に力をください!!那珂川くんを……助ける力を……!!」

『よう申した!!ならば授けよう我の力を!!!存分に使うといい!!』

気がつくと僕は元の場所に戻っていた。

「おい！お前早く離れろ！」

「……なるほど。これが授けてくれた力か……那珂川くん少し君の力を借りるね」

「は？」

僕は小石を右手で拾い、思いっきり石に念を込めた。そして右手にはロケットランチャーが握られていた。

「あれは……!!あいつ……まさか……覚醒したのか!?異能力者の力に……」

僕はこちらに向かってくる化け物の脳に照準を定め、一発撃った。僕が撃った銃弾は大きな爆発音とともに見事化け物の脳に当たった。化け物は大きな雄叫びをあげ、霧となって消えてしまった。

「嘘だろ……一発で……」

「FPSをやっていて良かったよ。まさかこんなところで役に立つなんてね。ねぇ那珂川くん、怪我はない？」

「あ、ああ。大丈夫だ……お前……」

「何？」

「今どんな能力を使ったんだ?!俺から能力を奪ったのか!?あれは俺の能力のはずだ!!」

「……奪ったんじゃないよ。少しだけ借りただけだよ」

「借りた……だと？」

「これが僕の能力。“相手の能力を模倣する能力”だよ」

次回に続く