イレギュラー (ページ19)

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三章きっかけ⑤ ページ19

ー神羅町住宅街
「先輩！お疲れ様です！」

「お疲れ様。紫音ちゃん元気そうだね」

「はい！お陰様で。それで今日の任務は？」

「今日はここでまがれ退治をするよ。ここはまがれの出現率が他のところと比べると高いから、一旦退治したあと空間を封印するよ。とりあえず紫音ちゃんはまがれを討伐してくれればいいよ。俺も手伝うから」

「了解です！」

「それじゃあいつら来るまで待つか」

「わかりました」

二人はその場で座り込み、まがれが来るのを待っていた。

「……先輩ってたしか武器は槍使ってるんでしたっけ？」

「うん。そうだけど」

「なんで槍術を習ったんですか？槍術って珍しくないですか？」

「うーん……まあ習い始めたのは親の薦めかな。いつでも自分の身を守れるようにって言われたよ」

「なるほど……でもなんで槍術なんですか？」

「さあね。ただの気まぐれかもね。……そろそろくるよ。準備して」

「は、はい！」

二人がいる先に狭間が出現し、そこからまがれが数十体出てきた。

「……紫音ちゃん、いける？」

「こんなの朝飯前ですよ!!」

紫音は刀を引き抜くと、風のような速さでまがれに斬りかかった。しかし、何度もまがれを倒しても狭間から新たなまがれが出現してくる。

「く……キリがない……!!」

「紫音ちゃん！加勢するよ！」

「すみません!!お願いします!!」

泰斗は持っていた槍でまがれを一掃していった。

「先輩ありがとうございます！」

「お礼を言うのはまだ早いよ！まだまだ出てくる！」

二人は疾風の速さでまがれを倒していった。そしてあっという間にまがれは霧となって消えた。

「……とりあえずこんなもんですかね」

「……そこにいるんでしょ？出てきたら？」

「え？」

「あ、あはは……バレちゃいましたか……」

泰斗が声をかけた方には未果の姿があった。

「えっ⁉君だれ⁉」

「あれ？先輩この人誰なんですか？その制服って……もしかして神羅高校の人ですか？」

「まぁそうだけど……ちょっと‼人の話を聞いてよ！」

「わわっ！ごめんなさい！私佐々木未果です！泰斗先輩と同じ高校に通ってる高校一年生です！」

「高一って……先輩まさか……」

「紫音ちゃん？何か誤解してない？」

「ち、違います！私はただ泰斗先輩にお会いしたくて……!!」

「君それってさ……ストーカーじゃない？」

「違いますよ!!」

「とりあえずこの子の話でも聞いてみようか」

「そうですね……」

次回に続く