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KODZUKENがまたあのゲーム動画上げている。
特に用事がなく部屋でゆっくりしていた日、スマホの通知からKODZUKENの動画に飛ぶ。公開の動画は他の実況者とのコラボで、最近追加された新武器で1位を取ると言うものだった。
この武器はかなりの曲者だが、使いようによっては環境トップになる可能性だってある。
新武器なのにやはり彼は上手で、もちろんコラボ相手もそれに合わせられていてすごい。
「あ、ヘッショ外した」
画面の向こうで彼がそう言ったのが聞こえた。
それから3時間後、ミケからの招集でゲームをすることになった。適当に挨拶をして、いつも通りゲームを始める。
「ミケすごいね、新武器をもう使いこなしてる」
「ん、まぁね。メイは?使ってないけど」
「野良でやったとき、エイムがブレすぎてやめた」
彼は確かに、と呟く。だが、彼はそのコントロールのしにくさすらも上手く扱っていた。
「あとで練習場いこう。おれがコツ教えるから」
「いいの?じゃあ、お願い。早くKODZUKENみたいに上手くなりたいなぁ」
私がそう言った時、ミケのキャラクターの動きが少しだけ止まった。しかしそれは一瞬で、すぐにまた動き始める。
「ねぇ、KODZUKENのこと好きなの?」
唐突な質問に、思わずヘッドショットが外れた。すかさずミケが狙っていた敵を撃ってくれて、ありがとうとお礼を言った。
「うーん、興味があるって感じかな」
「興味?」
「そう…初めて人に話すんだけどさ、KODZUKENとは高校の頃の同級生なんだよね。2年生の時だけだけど」
たまに思い出す苦い記憶。だけど、自然と口から言葉が出てくる。
顔を知らないミケにだから言えることだと心の中で納得した。
「きっとあの人は覚えてないけど、私の中では印象的なんだよね。なんか…こう…難しいんだけど」
勝手に自分と重ねて、勝手に彼は違うと決めつけた相手。
唯一、私が高校生だったことを示してくれる忘れられない人。
「…そっか」
「そうなんですよ〜。よし、練習するぞ!」
「あ、うん。行こう」
その後のミケはなんだか調子が悪そうで、説明の時も少し考え込んでいる様子だった。それに、よく攻撃を喰らっていた。
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花道時代(プロフ) - えまさん» コメントありがとうございます!いつも感想を書いて頂き嬉しかったです! (4月22日 7時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - 食べるさん» 感想ありがとうございます!そのように思って頂けて、書いた側としては嬉しいです。読んで頂きありがとうございました! (4月22日 7時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月21日 15時) (レス) @page41 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 完結おめでとうございます。主人公の考え方や最終的な二人の関係性のあり方など、共感できるところが多く、すごく楽しめました!日々の合間にこの小説を覗くことが、個人的な楽しみでした😳素晴らしい作品を、ありがとうございました! (4月21日 11時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - カナタさん» 感想ありがとうございます!これからも、色んな作品を書いていきます! (4月18日 14時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花道時代 | 作成日時:2024年3月11日 21時