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ゲームを始めて1ヶ月後。KODZUKENのランクに追いつくまであと1つとなったある日、いつものように野良でゲームをしていた。
40の方向に敵が1人…いや、2人いる。落ち着いて撃つと、上手くヘッドショットができた。
あと残りのパーティは4か。味方がうまく回してくれると良いけど。
「うわ、この人すごく上手い」
このゲームでは2人で他のパーティを倒して最後まで残ったチームが勝ちだ。そのため、野良で遊ぶ時は相手の力量も重要になる。
自分の目の前の敵が片付いたので味方の様子を見に行けば、1人で10キルしている。私はまだ5キルなのに。立ち回りも上手くて、敵への狙いもいい。
しっかり1位という文字を見たところで、私は腕を組んだ。
このゲームは1ランク差はマッチングするようになっている。この人は私よりも1つ高い最高ランクであり、かなりやり込んでいるようだ。この人とパーティ組めたら上位になれるだろうな。
「うわー、フレンド申請送ろうかな…でも、断られたらどうしよう」
ゲームのフレンド申請は一方的で、送ったけど一生返ってこないというのはあるあるだ。だからこそ、地味に凹む。
それに、このタイプの人は断れるケースが多い。
「『ミケネコ』さんか。どうしよう…とにかく送ってみようかな」
フレンド申請する文章を考えないと。申請のボタンを押し、挨拶の枠にカーソルを合わせる。
「先ほど同じチームになった者です、良ければフレンドになってもらえませんか?…こんな感じかな」
特にインパクトのない文章だが、これくらいが一番分かりやすい。
顔を合わせていない人なのに、何故か緊張する。振られる気しかしない。5分ほど経って返信が返ってきた。
『いいよ、おれもメイさんとフレンドになりたかった』
おぉ、返事がきた。そして、まさかの承諾。フレンドになってもらえるとは思わなかった。
一人称が俺ってことは、男の人なのだろうか。いや、女の人でも使う人はいるから断定はできない。
『敬語じゃ無くていいよ。連絡はこっちで取ろう、気楽に話して』
QRコードの載ったチャットを見て、ガッツポーズを取る。フレンドになることは、パーティを組む近道。上位ランカーを目指しているわけではないが、強い人と組めるのは利点が多い。
『ありがとう!これからよろしくね』
そう送れば、可愛らしいスタンプが返ってきた。優しい人みたいでよかった。
私はそっとその画面を閉じ、少し早めにベッドに入った。
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花道時代(プロフ) - えまさん» コメントありがとうございます!いつも感想を書いて頂き嬉しかったです! (4月22日 7時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - 食べるさん» 感想ありがとうございます!そのように思って頂けて、書いた側としては嬉しいです。読んで頂きありがとうございました! (4月22日 7時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月21日 15時) (レス) @page41 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 完結おめでとうございます。主人公の考え方や最終的な二人の関係性のあり方など、共感できるところが多く、すごく楽しめました!日々の合間にこの小説を覗くことが、個人的な楽しみでした😳素晴らしい作品を、ありがとうございました! (4月21日 11時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - カナタさん» 感想ありがとうございます!これからも、色んな作品を書いていきます! (4月18日 14時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花道時代 | 作成日時:2024年3月11日 21時