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彼はそう言ってそっと帽子を取った。帽子から溢れるように落ちる髪は、黒に金が毛先に入っている。猫のような吊り目で、彼は目を細めて笑っているように見えた。
あ、この人知っている。
「実は、おれがKODZUKEN」
「こづ…けん…」
彼の名前を繰り返すと、理解できてきた。この見た目は間違いない。
「え!こづ…ぐふっ!」
思わず叫んでしまいそうになった時、彼は私の口を手で塞ぐ。
「しっー。ここ人は少ないけど、大声で名前を言うのはやめて」
「ご、ごめん」
しかし誰もが私と同じリアクションをするだろう。ネットで注目を集めている有名人が目の前にいる、なんて頭がおかしくなりそうだ。
「メイは俺の動画観てるって言ってたのに、声で全く気が付かないから面白かったよ」
「いや、だって…まさか本人と話してるとは思わないでしょ」
「それもそうだね」
やっぱり見た目も雰囲気もかっこいい。コーヒーを飲んでいるその姿は、きっとファンなら倒れているだろう。
そう思うのと同時に、高校生の頃が頭を掠める。
そうだ…今私の目の前にいるのはKODZUKENだけど、孤爪研磨くんなんだ。
この時、心臓の音がうるさくて思わず耳を塞いでしまいたくなった。
まさかミケがKODZUKENだとは思わなかったが、本人に高校の同級生と暴露していたことになるとは予想外だ。
急に何を話せばいいのか分からなくなり、取り敢えず紅茶で乾いた喉を潤す。
「この前、メイがKODZUKENと同級生って言ってたから卒アルを久しぶりに見てみた」
わざわざ卒アルから生徒一覧を開き、一体私が誰なのかと探したらしい。流石に声は覚えていなかったため、何かヒントはないかと名前を眺めていた。そして、「五月A」という名前が目に入った。
「五月は英語でメイ、確かに2年生の時同じクラスだったね」
心臓の音が耳元の近くで聞こえて、消えたくなった。
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花道時代(プロフ) - えまさん» コメントありがとうございます!いつも感想を書いて頂き嬉しかったです! (4月22日 7時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - 食べるさん» 感想ありがとうございます!そのように思って頂けて、書いた側としては嬉しいです。読んで頂きありがとうございました! (4月22日 7時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月21日 15時) (レス) @page41 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 完結おめでとうございます。主人公の考え方や最終的な二人の関係性のあり方など、共感できるところが多く、すごく楽しめました!日々の合間にこの小説を覗くことが、個人的な楽しみでした😳素晴らしい作品を、ありがとうございました! (4月21日 11時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - カナタさん» 感想ありがとうございます!これからも、色んな作品を書いていきます! (4月18日 14時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花道時代 | 作成日時:2024年3月11日 21時