◯開幕 ページ1
高校生の頃に思い出はたくさん作っておくべきだったと後悔している。
第一志望の高校には学力が足りずかといって勉強する気力も湧かなくて、結局諦めて志望校を一つ下げた。
仕方なく受けた高校が音駒で、高校生活が始まってからはこんなはずじゃなかった、周りとは違うのだとずっと思い込んでいた。
だから周りとは滅多なことがない限り関わらなかったし、友達を作ろうなんて思わなかった。
誰からも必要とされない期待されない、記憶になんて残らない1人だけの学校生活。
そんな生活を送っていた2年目、いつも視界の端に写っていたのは猫背の男の子。
彼はいつも誰かとつるむわけでも無く、1人でゲーム機を触っている。
見ているだけで話したことがあるわけではないけれど、彼がいるだけでどこか安心できた。
何故だか、一方的に彼は私と同じなのだと思っていた。
放課後、偶々バレー部の練習を見かけたことがあった。
そこにいたのは、楽しそうではないけれどチームメイト達と練習をしている彼。
そっか、彼は私とは違うんだ。
誰かに必要とされていて、誰かの記憶に残るような人。
どうして勝手に彼は私と一緒なのだと思っていたのだろうか。
急に自分が恥ずかしくなって、1人早足で家に帰える。
目を閉じて彼の様子を思い出すと、何故か苦しくて1人からの部屋の中でずっと泣いていた。
193人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花道時代(プロフ) - えまさん» コメントありがとうございます!いつも感想を書いて頂き嬉しかったです! (4月22日 7時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - 食べるさん» 感想ありがとうございます!そのように思って頂けて、書いた側としては嬉しいです。読んで頂きありがとうございました! (4月22日 7時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月21日 15時) (レス) @page41 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
食べる(プロフ) - 完結おめでとうございます。主人公の考え方や最終的な二人の関係性のあり方など、共感できるところが多く、すごく楽しめました!日々の合間にこの小説を覗くことが、個人的な楽しみでした😳素晴らしい作品を、ありがとうございました! (4月21日 11時) (レス) id: 52b293a903 (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - カナタさん» 感想ありがとうございます!これからも、色んな作品を書いていきます! (4月18日 14時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花道時代 | 作成日時:2024年3月11日 21時