○30 ページ30
「え、えーっと…言ってることがよく分からないんだけど」
と言うか近い。この前まで触れると寿命がどうだとか、近付けることに肝が座ってるまで言ってたのに。
私は逃げ場を探すが、キッチンは狭いし入り口塞がれたら逃げられない。
つまり、詰んだ。
「Aちゃんのことが好き」
「分かった、分かった。天使くんはおかしくなっちゃったんだね。理解した。とりあえず、離れてくれるかな？」
「嫌だけど」
何でこんなに冷静なんだよ、この悪魔は。と言うか、天使くんは若干この状況を楽しんでますね。
そんなことを考えていると、天使くんは口を開いた。
「結構前からAちゃんのことは意識してたんだ。で、今好きだって分かった」
「今かー」
つまるところ、あの諸々の事件の時は全然気付いていなかったと。
これは間違いなく有罪、すぐに裁判にかけよう。
「それで、普通の人間はこの後どうするの？」
「まさか…それを知らずにこの状況を？」
私の問いに天使くんは頷いた。流石に恋愛の知識があまりない私でも、この後の展開は何となく分かるが。
「わ、私も分からないなー」
「はぁ、絶対嘘…！？」
私は隙をついて天使くんの後ろに回って逃げた。いや、家だから完全に逃げられる訳じゃないんだけど。
能力は天使くんの方が強いけど、身体的な能力は私の方が実は高い。
「あのさ、逃げるのは良くないよね」
「逃げ道を塞ぐのも良くないと思う！」
明らかに呆れている溜息が聞こえたけど、私は知ったことかと言う気持ちだ。
どうにかして話題を逸さなければ、思考を巡らす。その時、天使くんはこう言った。
「…ごめん、こんなに困らせるつもりはなかったんだ」
まさかの謝罪。すごく悪いことをしている気持ちになるな。
落ち込んで俯いている天使くんに恐る恐る近づくと、天使くんに抱きつかれてソファに押し倒された。
…嵌められた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花道時代(プロフ) - jinhuashun03さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉です！ (2023年3月5日 7時) (
レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
jinhuashun03(プロフ) - すきです最高でした！ (2023年3月5日 1時) (レス) @page35 id: b665c31fce (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - ムーさん» コメントありがとうございます！可愛い天使くんになるように書いてるので、伝わっていて嬉しいです。応援、ありがとうございます！！ (2023年1月24日 6時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
ムー - 可愛いー!!!!!とても可愛いし、甘酸っぱいですね。大好きです！これからも更新頑張って下さい、応援しています！ (2023年1月23日 18時) (レス) @page18 id: c4f896039b (このIDを非表示/違反報告)
花道時代(プロフ) - 遊ちゃん_SKZさん» コメントありがとうございます！天使くんが好きな人に読んでいただけて嬉しい限りです。応援ありがとうございます！！ (2023年1月13日 22時) (レス) id: 0bbda94348 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花道時代 | 作成日時：2022年12月25日 21時
