初恋と向日葵畑【黄】

#8ギャップ ページ9

る「演奏が上手いのはもちろん
　 今年の合唱コンクールでピアノ弾くのを
　 楽しみにしていました…」

『…』

る「去年の合唱コンの時期…
　 音楽室で練習してるのを何度か見て…」

る「でも合唱コンのピアノって
　 オーディションがあって…
　 落ちちゃったらしいんです」

『え…』

る「だから今年は絶対弾くって言ってました…」

『そう…』

る「オーディションは体育大会と文化祭の後の
　 12月の合唱コンの1週間前です。」

る「あの骨折だと…全治2カ月くらいでしょうか…
　 11月まで待つのは難しいですかね…」

そう言ってるぅとくんは俯いて苦笑した

『…』

ちゃんと周りの事見てるんだ…

る「…まぁどうしても無理なら僕が弾きますけど…」

るぅとくんは合唱曲の楽譜をペラペラとめくり始めた

る「弾きたい意志のある人の方が良いと思います」

…るぅとくん

『…良いじゃん』

るぅとくんはページをめくる手を止める

る「えっ…」

『私はるぅとくんの考え、良いと思うよ。』

る「そうですか…」

そしてタイミング良くチャイムが鳴る

その日はCDの曲を聴いて音とりを済ませた

音とりむずい

そして3時間目。数学。

私はこの学校の使っている教科書を持っていない

幸いこのクラスの数学担当は菊池先生だった。

事情が分かるから何とかしてくれるはず！

菊「あー、るぅとくん！
　 Aさん、教科書ないから見せてあげて
　 Aさんの新しいのくるまでそれで！」

へ？

る「…わかりました」

『…はい…』

るぅとくんは机をくっつけて教科書を見せてくれる

『あ、ありがとう。あっ、さっきも、ありがとう。』

るぅとくんはえ？と言う顔をする

る「？、あぁ移動ですか？別に良いですよ。
　 教科書だって無いと困りますし…」

『…』

ってか

るぅとくん、朝からキャラ変わりすぎじゃない？

良い人かと思ったら急に冷たくなって、

最低な人かと思ったら、ちゃんと反省して

また今みたいに優しくなる…

『…っ』


調子狂うな…

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