初恋と向日葵畑【黄】

#7不器用 ページ8

るぅとくんが音楽の用意を持って後ろにいた。

『…な、なに…』

る「なに？じゃなくて…次、音楽なんだけど…」

？

『うん。知ってる…』

る「チッ…、あーもー！」

るぅとは廊下を指差して口を開く。

る「音楽！移動！」

！？

うるさっ…！

る「とにかく立つ！」

『…わぁっ！…はい！！』

私は椅子から立ち上がる

怖…

る「どうせ、場所分からないんでしょ？」

…

『うん。分かんない…』

る「なら早く来てください…案内しますから…」

『う、うん。』

そういえば皆いないや…

移動だったのか…

いや普通音楽って移動か…

自分にボケてツッコミながらるぅとくんの後ろを歩く

る「…」

『…』

気まずっ！！

あ…

るぅとくんの背中に糸くずが付いている

この空気で喋りかけるのやだし私が取ってあげよ

そーっ

ピトッ

よし！

る「わぁぁぁ！！」

『！？』

ばっとるぅとくんは私を見る

『びっくりした…』

る「それはこっちのセリフです！」

え…

る「なんなんですか…急に…」

るぅとくんは顔を赤くして恥ずかしそうに言った

『わ、私はただ…背中に糸くずが付いてたから…』

私は手にある糸くずを見せる

る「…っ…ありがとうございます…」

そして私達はまた歩き始める

『…』

る「…」

あー、この空気やだー。

そんなこんなでやっと音楽室着いた…

る「ここです」

そう言ってドアを開けて入った。

わぁ……

流石音楽に力入れてるだけあって
広いなぁ…

る「席は教室と同じです」

そう言ってるぅとくんは自分の席に座った。

あ、お礼言い忘れちゃった。

『あ、あの、ありg
？「るぅとくん！」

おお、遮られた…w

る「なんですか？」

？「今日から合唱コンの練習なんだけど…」

へぇ…合唱コンかぁ…

？「るぅとくんってピアノ弾けたよね！？」

へ？るぅとくんピアノ弾けんの！？

？「…弾けますけど」

すげげー！

？「もともと私が弾く予定だったんだけど…」

これ…と言って見せてきたのは

右手の包帯だった。

？「あはは、弾けなくなっちゃったんだよ〜」

その子は少し悲しそうだった

？「だから今弾ける子探してるんだ！どう！？」

る「……うーん。考えときますね…」

？「そっか！今日はCD聞くだけだから
　 弾かないしゆっくり考えて！！」

そう言ってその子は戻っていった。

……

『…弾かないの？』

る「別に弾いても良いんですけど」

『…？』

る「あの人…ピアノ弾くの楽しみにしてたんです」

え…

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