a broken love story (ページ5)

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今日もバイトだ。
いつもの時間にアラームが鳴って、
バイトの準備をしようと抱きしめられている剛くんの腕を離そうとする。

ぎゅっと力が増して、隣を見ると、
彼は私をじっと見ていた。

「A。どこ行くん？」
「何処って。バイト。」
「嫌や。行かせへん。」

フルフルと頭を振ると、
彼は私を悲しそうな目で見た。
心がズキズキと痛む、その痛みに耐えられない。

「我儘言わないで。」
「僕は我儘なんて言ってへん。」
「我儘だよ。私は働きたい。」
「あの男に会いたいから？」
「違う！あの人はただの店長だよ。」

そう言うと、剛くんはその大きな瞳からぽろぽろと涙を零した。

「あかん。いやや。
離れちゃ嫌。」
「剛くん！」
「今日、今日だけ。
会社休んで。」

剛くんの説得はきっと無理だ。
仕方が無いから今日だけ休もう、と、家の電話を触る。
仕事先の店長の電話番号だけ、こっちに登録してある。それを打って電話をかける。
心が痛んだけど仮病を使うと、店長は優しい言葉をかけてくれ、休みを貰った。

「剛くん。休み貰ったよ。」
「……じゃあ、また寝るで。」

ふわりと微笑んで、私とベットに入る。
彼はまた、私の背中にくっついてすやすやと寝始めた。
寝息が首にかかるのが擽ったい。
背中に剛くんの感触を感じながら私もまた寝始めた。