a broken love story (ページ19)

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あれから、私は彼の電話に3コール以内に出ないと酷く暴力を振られるようになった。
足も腕も動かせない。電話とトイレを繰り返す日常は、苦痛で窮屈だ。

光一さんから貰った外への連絡手段。
使ってしまいそうになるのを必死に抑えて、私は彼の帰りを待つ。
無機質な部屋は、テレビすらも写せなくなり、
外も彼は見せてくれなくなった。

「ただいま。」
「……おかえり。」

帰ってきた彼にそう言うと、
彼はこちらに来て、私を見た途端ギューッと苦しくなるぐらい抱きしめてきた。

「疲れた。」
背中に手を回すと、彼は私の首に顔を埋めた。
耳を少し噛まれて、彼を見るとふふふと笑っていた。

「耳、食べちゃいたい。」

耳元で囁かれ、ぞぞぞと背中が震える。
色気が凄くて、その色気に圧倒された。

「あいつになんて絶対に渡さへん。」

ガリッと、首を噛まれ、首から血が流れる感触を感じる。その血を舐められて、嬉しそうに微笑まれた。

「吸血鬼みたい。」
「吸血鬼になれれば、君の血を吸って僕だけの仲間にするんだけどな。」
「怖いこと言わないでよ。」
「えー、ロマンチックやと思うんやけどな。」

どこがロマンチックなのかと、ひと睨みする。
彼は肩を竦めて、着替えに自分の部屋に戻った。