a broken love story (ページ18)

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光一さんから聞いた衝撃の事実。
両親を殺したなんて、何かあったとしか思えない。
結局、光一さんの電話番号まで紙切れで教えて貰って、こんなこと良くないって分かっているけど、宙ぶらりんの状態だ。

家に帰りつく。
誰もいないだろう、と、ドアノブを回し開けると、
そこにはとんでもない状況が広がっていた。

家のものが散乱している。
リモコン屋時計が壊れていて、
硝子の破片もあちこち。

まるで空き巣にはいられたような場所。
帰って来ないと思っていたのに、今日に限って早かったのか。

あちらの部屋からぶらりぶらりと来たのは、
目が虚ろな剛くん。長い髪の毛をボサボサにして、
私を見た。

「どこに行っとったん？」

怒ってる。恐ろしくて、体が凍る。

「なんで僕の許可無しに出ていったん？
誰と会ってたん？そんな服きて。」

ふらり。こちらにヨタヨタと歩き出す。

「僕を裏切るん？そんなの許さへんで。」

持っているのは、カッターナイフ。
血が少しついているそれを私にむける。

「何それ。嫌だよ、剛くん。」

ガタガタ震える体。
彼は私を見て楽しそうに笑った。

「僕を裏切ったやろ？お仕置きや。
痛みは1番人を支配できるからなぁ。」

そういい、彼は私の腕にカッターを突き立てた。
痛い。今まで感じたことの無い痛みが襲う。
涙が、頬を流れた。

「あーあ、泣いちゃった。」
「もうやめて、お願いだから。」
「だーめ。
まだまだこれからやで。」

何度も何度もカッターを突き立てて、
足も腕も痛みで動かせなくなるぐらいボロボロにされた。そんな私を見て、剛くんは嬉しそうに笑った。

「僕が居ないと動けんやん。」
「……酷すぎる。」
「だって先に裏切ったのはお前やろ？
誰と会ってたん？」
「……堂本光一。あなた知ってるでしょ？」
「あー、……忘れたわ。お前何を聞いたん？」
「あなたが両親を殺したって。」
「ふふっ。僕のことを愛してくれなかったアイツらなんて価値無いもんなぁ。」

剛くんは、しゃがみこんで、座り込んで動けない私の耳元に口元を近づけた。

「でもなぁ、お前だって妹の事、殺しとるやろ？
同じやで。同じ穴の狢同士仲良くしよや？」
「あれは……！」
「違うって言いたいんか？お前が追い詰めたんやろ？嫉妬に狂って。
あの時のお前、最高に歪んどったなぁ。ゾクゾクしたで。」

蘇る、愚かだった頃の記憶。

「僕とお前は、同罪だ。僕だけがお前を理解できる。」

楽しそうに笑ったのは、彼だった。