a broken love story (ページ17)

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道行く人達が私の事を凝視している。
それはそうだろう。
彼が“痕”と称して付ける傷は大量付いている。

カフェに入る。
光一さんを探そうと周りを見渡すと、
彼はこちらに気づいて手を振った。

「久しぶり。」
「……お久しぶりです。光一さん。」
「はい。ペンダント。」

ペンダントを手渡しされ、ありがとう、と微笑む。
彼は私の顔を怪訝そうに見ると、顔を歪ませて口を開いた。

「……傷だらけやん。」
「気にしないでください。」
「このままだと死ぬで。」
「1人で死ぬぐらいなら、彼に殺された方がマシです。」
「本気で言ってんのか？」
「えぇ。……それより、大事な話ってなんですか？」

話を変えると、彼は顔を心做しか凍らせた。

「だったな。大事な話、俺と堂本剛の関係についてや。」
「剛くん？」
「俺と剛は、血の繋がった兄弟なんや。
縁を切ったけどな。」
「兄弟……？！？！」
「俺が言う。あいつはやめた方がええ。」
「縁は切ったんでしょ？貴方は彼を捨てたのに、そんな貴方が彼の事をどうこう言えない。」

彼は顔を歪ませる。
この人は、私と彼を引き裂こうとしているのか？

「ちゃう。あいつは、自分の両親を殺しとんのよ。」

彼は憎しみの光を目に宿していた。
まるで憎しみに取り憑かれてる様な気がして、少し背筋が凍った。