a broken love story (ページ12)

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それから私は家の外に出ることが一切出来なくなった。彼は私を家の中に閉じこめた。
まるで引きこもりのような生活を続けていた私に、彼は嬉しそうにしていることが多くなった。

人なんてみんな裏切る。
そんな言葉をまるで私に呪いをかけているかのように、毎日耳元で囁く。
そんな彼の言葉に、私はそんな気がしていて、今ではもう外に出たいという気力すらない。

この2人だけの世界は案外良いもので、
彼が囁く愛は、心地のいいもの。
私は一切貰えなかった愛を、彼から沢山貰った。
その彼が私の自由を奪いたいのなら、私は貴方に自由をあげる。

「ただいま。」

彼が帰ってきた。
玄関に行くと、スーツを着た彼が私を引き寄せて抱きしめられた。

「おかえり。何かあったの？」
「何もないで。ただ抱きしめたくて抱きしめた。
可愛ええな、Aは。」

髪の毛に鼻が当たる。彼から匂ういいシャンプーの香りは私の大好きな匂いだ。

「外出てないな。ええ子やな。」
「うん。出てないよ。」

そういうと、彼の抱きしめる力が少し強くなる。

「此処が、僕の帰る場所。」

そう呟いた剛くん。
私の肩に顔を埋めた彼。

「ずっと、ずーっと一緒や。」

肩が冷たい。
彼は涙を流していた。
それに気づいた私は、彼の悲しみが少しでも消えるようにと願いながら、彼の腰に腕を回した。