【第一章】命を貫いたあの瞬間を ページ1
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H,T
「なぁ、小瀧、死んだってよ」
雨が降るバス停、携帯でLINEを開いているしげは言った。
その連絡は俺にも来ている訳で、デパートへの行き先は中断され、二人で葬式の準備に取り掛かる。
「後でな、」とマンションへ入っていくしげを見送り、俺も家へ。
重く、のし掛かる望の死。
prrrrrrrrrr…
『……うっす、』
【着替えたぁ?濱ちゃん】
『下行くわ』
スーツに着替えたしげがビニール傘をさして待っている。
小さく手を振ると、俺に近寄ってきた。
車で走って30分。葬儀場の中へ入る。
棺の中で寝ている望が旅立ったのは、昨日だったという。
溺死で、すぐ引き上げられたというけれど。引き上げた時には肺に水が溜まって息をしていなかったらしい。目撃者もおらんくて、誰が隣におったんかも、おらんかったんかも、分からず終い。
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小瀧あや - 続きがすごーく気になります!!楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2019年5月2日 22時) (レス) id: 9d8f0fb8f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みしま | 作成日時:2019年5月1日 23時