『弱々しい女の子』演じてます。【歌い手】【すとぷり】 (ページ46)

今日:24 hit、昨日:0 hit、合計:250,900 hit

#4 ページ46

莉犬side

最後にお金を持って。

『俺は』だけど、もう全部捨てた。

パソコンも、家具も、

あの家も。

つい最近引っ越したばっかりなのにな。

別に構わない。だって、

俺にはさとみくんがいるんだもん。

さとみくんさえいればなんだっていいよ。

そんなことを考えるとついつい、笑みが零れてしまう。
さとみくんに

さ「莉犬、何考えてるんだ？w」
と聞かれて。

それは、俺の目の前の人のことを考えてるんだよ。

多分こんなこと伝わりゃしないけど、
それでもいいや。

。

。

。

歩いて、

さ「まだ歩くの？」

バスに乗って

莉「もっともっと。」

飛行機に乗った。

さ「着いた。」

遠く遠くに。

リスナーさんもいない、誰もいない場所へ。

さとみくんと、いや。

彼氏と見る景色はすごく綺麗だ。

複数で一緒に歩くのがあんまり好きじゃないさとみくんだけど、

俺だけ？一緒に歩いてくれる。

何だか嬉しい、なんて。

思っちゃうんだ。

もう、この世界になんて価値はないよ。

俺みたいな人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんね。

あのリスナーの子は悪くなんてないんだよ。

裏切ったあの子だって悪いわけじゃないんだ。

紛れもなく裏切って、信用をなくした

『俺が』悪いんだ。

カップルの割には、さとみくんの方が断然人気あるし、

俺なんか……ったいつも考えちゃうけど

いつもさとみくんがタイミングよく話しかけてくれて

いつも前向きになれるんだ。

「さとみくん」
さ「んー？」

「ありがと。」
さ「なんだよ急にw」

「いーや？別に～」

さとみくん。

大好きです。

でも俺は

もうすぐ目の前からいなくなる。

昔みたいにくよくよしない。

誰に愛されなかった俺の手はもう震えない。

さとみくんとなら、どこにでも行ける。

今更、怖いものなんてないよ。

額の汗も。

たまにかけるメガネも。

どうでもいいさ。

「ねえ、さとみくん」
さ「なに？」
「誰にだって愛される主人公ならさ、

汚れ、汚れまくった俺達も救ってくれるのかな？」

さ「ふふっ」

さ「そんな夢、ない、な

シアワセの4文字なんて、俺にはなかったよ。」

「だよね」

誰だって貴方の人生は貴方が主人公だ
って言うけどさ。

俺は違かった。

親の言う通りに行動して、
喧嘩とか、いつも止めようと思うけど、
足動かなくて。

それが1番正しい事だと思ってたから。