関西 J r のシンデレラ６ (ページ32)

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できないページ32

大「 Aは休んどっていいんやで？」

『ううん。やる。』

ダンスレッスン。今までは怪我をするなんて経験がなかったから分かんなかったけど殴られただけでこんなに痛みが走るなんて思ってなかった。

レッスンって言っても先生はいないから自分たちのペースで進む。

『っ、たっ… 』

康「ほら、A振りは入っとんやから休んどきって。な？」

そう言われて１人レッスン室の片隅にしゃがみこむ。

『 …早く治ってよ、』

あの日から出来ないことが増えた。

ダンス、収録、雑誌の撮影。階段だって今は１人で上り下り出来ない。

みんなに迷惑かけたくない気持ちと何も出来ない悔しさから目に涙が溜まる。

『どうしたらいいんかな… 』

１人でそっと呟くと誰かが隣に座った。

『きょ、へくん』

恭平くんは私の頭を掴んで自分の肩に寄せるとこう言った。

恭「 Aはみんなに迷惑かけるって思うかもしれんけどA元気じゃなかったら逆にみんな迷惑やからな？」

『うん、… 』

その言葉を聞いて気持ちが一気に溢れる。

恭「アホ、泣かんでいいねん(笑)」

頬の涙をグッと拭いてくれて私の頬を両手で摘む。

流「あ！恭平がAいじめとる！」

確かにこうやってわちゃわちゃしてるほうがみんならしいね。

『ありがと。』

恥ずかしくてみんなの声にかき消されるように呟いた。