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あれから数日。
「ねぇ、さや。
この前はびっくりしたけど、
金木犀の花言葉、知ってんの。」
補習の前、
友達がわたしに携帯の画面を見せる。
金木犀の花言葉:「真実の愛」「初恋」「陶酔」
「愛されすぎでしょ、さや。」
知らなかった、
そんな意味を込めてくれてたなんて。
「………っ/////
ちょっと、
体調不良で休むって先生に伝えておいて…っ」
「またぁ?!
すぐ嘘だってバレるよ〜?!」
友達の言葉を背に、教室を出た。
体が動く。会いたがってる。
彼はいつも通り、あの芝生に寝ていた。
「将吉…っ」
一瞬、驚いた顔をした将吉は、
すぐに笑った。
「またサボって来ちゃったんすか。」
芝生に落ちる、小さな黄色い花を拾って、
将吉の手のひらに乗せた。
「…わたしも、同じ。」
わたしの言葉に、
将吉の耳が赤くなる。
「……さやさん、もう限界っす…///」
大きな金木犀の木の陰で、
わたし達は唇を重ねた。
「…さや、好き。」
「…わたしも、好き…///」
金木犀の匂いに包まれてしたキスは、
一生忘れることはないだろう。
そして、
金木犀の匂いがすると、
彼のことを思い出すだろう。
わたしは密かに心にそう誓った。
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作者名:水果子 | 作成日時:2018年9月30日 22時