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「文化祭って言ってもさあ、
楽しみなのは有志くらいだよね。」
行事にそこまで力を入れないうちの高校は、
体育館で行われる有志のバンドが
唯一のたのしみだったりする。
教室で友達とパンフレットを見てると、
『有志バンド:September by SY's』
の文字が目に入った。
"文化祭、来てください"
彼の言葉を思い出して、
すぐさま友達を誘って体育館に向かった。
September、それは、彼が歌ってた曲。
"来てください"
もしかしたら、これを聴かせるためかもしれない。
私のあまりにも急ぐ姿に、
友達も不思議でいっぱいな顔をしながら、
付いてきてくれる。
「ちょっと、さや!どうしたの突然。」
体育館は、もう人でいっぱい。
「しょーきちぃー♡」
女の子たちの黄色い歓声を浴びながら、
出てきたのは、彼をボーカルとしたバンド。
「ba de ya say do you remember♪」
あの時の歌。
あの後、歌詞を調べた。
9月に始まる、真実の恋。
人をかき分けて、なるべく前に、
彼の綺麗な歌声が響く中、
必死に彼のいるステージに向かった。
その頃には、
歌い終わっていて、
驚いた顔でわたしを見る彼と目があった。
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作者名:水果子 | 作成日時:2018年9月30日 22時