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「…俺、やばくない?」
「………やばい。(笑)」
今市くんの似合わなさに、
思わず笑ってると、
むすっとした顔で彼がわたしにズボンを渡す。
ゆるゆるのズボン。
上まで交換してみると、
私はダボダボで、
彼はへんてこりんな格好になっていて、
わたしが笑っていると、
今市くんはまた耳たぶ触りながら、
むすっとしてる。
「ちょーっと、それは反則。」
セーラー服姿の今市くんが、
わたしのゆるゆるの袖を掴む。
「…さや、似合いすぎじゃない?」
「今市くんも似合ってるよ。(笑)」
クスクス笑うわたしは、
突然、今市くんが壁ドンするように
壁へと追いやられる。
…怒った、かな…?
「…ごめんね…?笑いすぎた…?」
「…ううん。」
そう言ってわたしの袖を掴む彼。
「…こんなに、
胸が苦しくなるもんなんだなって。」
「………?」
わたしのハテナ顔に今市くんが笑う。
そのまま目を伏せたまま、
彼はまた耳たぶを触った。
「…好きな子の笑顔と、この服のゆるさに、
こんなにキュンとするんだなー…って。」
「……っ/////」
真っ赤に染まった今市くんの耳をみて、
私まで顔が熱くなってくる。
「…好きな子…って?///」
ゆっくりと、
今市くんの指が私へと向く。
………わたし…!?/////
「クラス替えん時から好きだったの!」
ちょっと怒ってるみたいに言う彼に、
赤面するわたし。
「……こんな格好で告白しちゃったよ。」
その今市くんの一言に2人で笑い合う。
「…でも、信じられないよ、今市くんが、
わたしのこと好き、なんて。」
「…どうして?」
下を向いたまま、耳だけ真っ赤な彼。
…なんだか愛おしい…///
「だって、クラスの人気者なんだもん。」
「…っ、人気者じゃないし。
………トモダチからでいいので、
さやと、距離、縮めていきたいデス。」
そういって、少しだけ近くづく顔。
未だに信じられないわたしはとにかく
頭をたてにふるしかできなかった。
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作者名:水果子 | 作成日時:2018年9月30日 22時