Love is all ＊３【橘ケンチ】

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「それでは、新郎新婦の入場です！」


扉が開くと同時に、

広い会場に流れるのは

２人で選曲した「RAY」。



各テーブルのロウソクに

２人で持った火を順々につけていって、

自分たちの席に行く演出を選んだ私たち。



広い会場には、

３０個ほどの８人がけのテーブルが

置かれている。




ロウソクの火は、

つけた瞬間に緑色に変わるよう、

細工が施されている。



ひとつひとつのテーブルに、

一礼しながら火を灯して行く。



LDHの席はどこの席でも



"ケンチさん、さくらさん、
おめでとうございます"

の声が飛び交う。



その１つひとつに笑って頭を下げながら、

SECONDのテーブルに向かう。


SECONDのテーブルには、

５人のメンバーとウサさん、

マキダイさんが座る。



「よっ、美男美女♡」



啓司さんのその掛け声に、


みんながフゥーっと盛り上がった。



…なんて豪華で、幸せな日なんだろう////



いよいよ２人の席に着く頃には、

「RAY」も終盤になりかけていた。



少し疲れた手を、

２人で握り合ってほぐす。



ケンチさんの挨拶に始まって、

HIROさんの乾杯の挨拶、

LDHからの余興、

と全てがあっという間に過ぎ去って行く。



三代目の歌うウェディングベル。

なぜか最後のサビは、

直己さんの地声独唱。



会場は笑いに包まれて、

どんどん温かい雰囲気になっていく。



SECONDメンバーの余興は、

２人で予想していた通り、

将吉さんの「The One」。



驚いたのは、

ケンチさんが夢を叶える時から

私との写真が、

スライドショーで流れたこと。



妹にふと目を向けると、生の啓司さんに大興奮。

となりのケンチさんは、

涙をこらえていて、

私がハンカチを渡すと、

一筋の綺麗な涙が落ちた。





全てがあっという間で、

気づけば、

２人で式場のソファに座って、

終わった余韻と疲労に浸っていた。



互いの指が自然に絡む。




「やっと夫婦って実感湧いてきたかも…。」



私の言葉に、「俺も」って笑って、

頰にキスしてくれるケンチさん。



「…さくら、絶対幸せにする。」


「…私も、健一郎さんを幸せにします。」



わたし達は笑い合って、

もう一度誓いのキスのように

ゆっくり、唇を重ねた。

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