Love is all ＊３【橘ケンチ】

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「はじめまして。

さくらさんと、

結婚を前提にお付き合いさせていただいてる、

寺辻健一郎といいます。」


事前に電話しておいたものの、

青い髪をぴっちり固めて、

黒いスーツを着たケンチさんに、

両親、硬直…。(笑)


父「いやー…、まさかうちの娘が、
芸能人と結婚することになるなんてなぁ…。」


母「本当よ…。」


「お、お父さんお母さん、

まだ、お付き合いだから、ね…っ？」


「…結婚を申し出る時は、

もっときちんとした身なりで、

来ますので。」


くしゃっと笑うケンチさんの顔に、

お母さんは赤面。

…わかる…、かっこいいもん…。


父「まあ…その、

うちのがいいって言ってくれたのは、

すごく嬉しいがなぁ…。

芸能人のお眼鏡に叶うような魅力が、

さくらに合ったかね？」


そ、そんな言い方しなくてもいいのに…！


「いや、もう、

さくらさんのような素敵な女性と

結婚を前提としたお付き合いができる。

…本当に夢のようです。

彼女の笑顔に、

毎日元気をもらっています。」


ケンチさんの横顔は、

とても凛々しくて

本当にそう思ってくれてるんだって、

わたしにまで伝わってくる。


ーガラガラッ


玄関のドアが開いたかと思うと、

すぐさま障子が開けられた。

あー…、まずい。



妹「………っ！リアルケンチさんじゃん…！」



せっかく妹が会社行ってる時間にしたのに…。


母「ちょっと、花純！

お客様の前なんだから…。」


妹の花純は、目をまん丸にしたまま、

口に手を当てて、

わたしとケンチさんを交互に見てる。


妹「お姉ちゃん、

絶対妄想がひどくなったって思ってた…！」


「ちょ…っ、そんな妄想癖ひどくない…っ」


言い合うわたし達を見て、

笑うケンチさん。



母「もー…、とにかく花純も座って。」


ケンチさんが、

うちにいる。

不思議だけど、

本当に、結婚を前提にしてくれてるんだなって

改めて感じるなぁ…。

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