Love is all ＊2 【橘ケンチ】

ケンチside ページ20

「さくら、誕生日なの？」




彼女の机の上に置いてある、

"for you"と書かれているプレゼント。



「いや、来週なんです。

今日は来週会えない友達がくれて…。」



「来週のいつ？」



「………土曜日、です。」



気まずそうに答える彼女。



土曜日は、

いつも俺が百合子と会うために家へ帰る曜日。





「会いに来るよ。

その日は夕方までMV撮影だから、

そのままこっちに来るよ。」





そう言って彼女を抱きしめると、


彼女は本当にっ？と勢いよくこちらを振り向く。



ワクワクした時のこの顔とか、

本当に可愛いと思うんだ。



「うん。待ってて。」



おでこにキスすると、

真っ赤に赤らむ頬。



愛おしいってこういうことを言うんだろうな。




「さくら。」




ぎゅーーーーっと


抱きしめる力が強くなるさくら。



「好きだよ。」



その一言にまた、顔を真っ赤にして、


俺に笑顔を見せてくれる。




こうやって、

たった１つの小さな約束にまで、

喜んでくれる君がとても愛しい。

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