その瞳に秘めるものは Ⅲ 【ドラコ・マルフォイ】 (ページ26)

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〇許されないページ26

最終試合の会場に向かうまでの道のりは賑やかで声を張らなければお互いの声は聞こえない

両脇にいる双子が話しかけると少し屈んでくれるのが救いだ

『最後はどうなるんだろうね』

フ｢ん〜どうだろ｣

ジ｢最高に盛り上がるのは間違いないな｣

試合がどうなるか各々の予想を言い合ってると急に腕を掴まれ歩を止めた

『ｯ何！？、』

ド｢リア……｣

『ぁ』

腕を掴んだのはドラコ

ずっと会いたくて……1番会いたくなかった人

フ｢あーっと、俺たちお邪魔？｣

ド｢リアに話がある｣

『私はない』

ド｢どういう意味だ、リアが約束って言ったんじゃないか！いきなり僕を避けるようになったのは何故だ！｣

フレッドとジョージもドラコの言葉にこちらを見る

『……早くしないと試合始まるから腕、離して』

ド｢無理だ。納得出来るわけないだろ｣

『いいから離して！』

きっと今の私、酷い顔してる

だって……ドラコの顔、とっても苦しそうだから

それでも私に彼の手を握り返すことは許されない

『お願い』

ド｢ｯ……｣

力無く離れていったドラコの腕を掴めたらどれだけ良かったか

立っていられなくてしゃがみ込み泣く様子はきっと滑稽だっただろう

・

フ｢なぁ、本当にいいのか？｣

『……うん』

ジ｢あの様子じゃ喧嘩したんじゃないんだろ｣

『私が一方的に避けてるだけ』

ようやく会場に辿り着き空いてる席を探す

こんな時でも自然とドラコを探してしまう目が情けない

ジ｢俺たちじゃリアの悩みを解決出来なくてもさ、話ぐらいは聞けるんだぜ｣

フ｢また今度話は聞いてやるから。今日は全力で応援するんだろ？｣

こんな私を慰めてくれる2人には感謝しきれない

いつの間にか引いた涙の代わりに今できる1番の笑顔をお返し

『うん、ハリーを優勝させるんだから！』