その瞳に秘めるものは Ⅲ 【ドラコ・マルフォイ】 (ページ12)

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□ お誘いページ12

このくだらない時間、僕は同じ人物を何度も考えていた

大きな蓄音機から流れる音楽を右から左に流し外を眺める

パ｢ねぇドラコ、パートナーにならない？｣

ク｢ドラコ！私と踊りましょう！｣

いつの間にか皆踊り始めていて数人の女子が僕を取り囲んでいた

『……僕はいい。他のやつを探せ』

パ｢パーティーに出ないつもり？｣

『お前には関係ないだろ』

ク｢ボルベールを誘うつもりね｣

『……』

・

行きつけの読書スポットには既に先約がいた

陽の光が無くとも艷めく黒髪は間違いなく彼女だろう

『ワルツが好きなのか？』

夢｢嫌いじゃないよ。さっきの時間ずっと聞いてたから耳に残っちゃった｣

楽しそうに鼻歌を歌うリアはどこか嬉しそうだ

『上機嫌だな』

夢｢分かる？ハリーとロンが仲直りしたの。また前の2人に戻って嬉しいんだ｣

『僕としてはあのままポッターが孤立したら面白かったが』

夢｢ドラコ？｣

『本心さ。嘘は良くないだろ？』

夢｢そうね。でも、その言葉は心のうちで留めてほしいな｣

『以後気をつけよう』

家柄や寮を気にしないでいられるこの時間が好きだ

彼女との会話は心地がいい

夢｢あ、ハリーとロンだ！｣

中庭に来た2人に気づきベンチを立とうとするリアを思わず引き止めた

『…今話していたのは僕だろ』

夢｢えっと、そうだね。ごめんつい｣

自由奔放な彼女にはよくある事で今まで引き止めたことなんてなかった

でもこの気持ちを自覚してからは心穏やかに彼女を見送るなんて出来ない

『すまない、腕大丈夫か？』

夢｢うん、全然痛くないよ｣

『良かった』

夢｢それで、まだ続きがあったんだよね？｣

『え』

あながち間違ってはいない

リアを探していたのは事実で、こんな早く見つけられると思っていなかった

夢｢だから腕、掴んだんでしょ？｣

『あぁ……ダンスパーティーの…パートナー、に、ならないか？』