瞳の奥に映るもの【シリウス･ブラック】 (ページ28)

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"それがボルベールでも？"

『ｸｿｯ』

さっきからジェームズの言葉が離れない

ボルベールは良い奴だ

家のことに興味はねぇし見た目で人を判断しない

それに……

『何考えてんだ、俺……』

｢ぁ、ブラック君｣

声をかけられ後ろを振り向けば確か今日俺を呼び出したハッフルパフ生だ

『なんだ？約束は昼のはずだろ』

｢そ、そうなんだけど…今1人ならそこで聞いて欲しいの｣

そう言って指さしたのはいつしかボルベールが笛を吹いてた教室

『……まぁいいけど』

昼にわざわざ行かなくていいならいいか

名前も知らない女子の後ろを無言でついて行く

ここってこんなに暗かったか？

ボルベールがいた時も灯りはついていなかった筈だが

｢ぁ、あの！｣

｢去年の飛行訓練の時からブラック君が好きでした！！よ、良かったら、付き合ってくださぃ｣

最初は威勢が良かったが少しずつ自信がなくなってきたのか声が小さくなる

彼女はどちらかと言うとシリウスのタイプに近い

頬を赤く染めて恥ずかしがる姿は恐らく他の男が見れば可愛いと思うのだろう

『……悪いな』

でも頭にはボルベールの顔ばかり浮かんでくる

彼女も分かっていた。という顔で涙ぐみながらはにかむ

｢ブラック君ってボルベールさんのことが好き、なの？｣

『なんで？』

頭に浮かんでいた人物の名前がいきなり挙がってきて思わず聞き返してしまった

そこは違うと言うべきだろう？

｢えっと、ブラック君、ボルベールさんを見ている時すごく優しい顔…するから。それに話してる時嬉しそう｣

『ｯ』

傍から見るとそう見えていたのか？

俺が嬉しそう？

｢わ、私もう行くね！聞いてくれてありがとう｣

『ぁ、おい！』

まさかの言葉に唖然としてしまい立ち尽くすしか無かった