瞳の奥に映るもの【シリウス･ブラック】 (ページ32)

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気をきかせたのか分からないが談話室に着くとジェームズ達はすぐに部屋へ戻っていった

ボルベールはまだ恐怖が消えないのか暖炉の前でぼーっとしたまま膝を抱えて座っている

『ボルベール』

肩にそっと触れようとするとﾋﾞｸｯと肩を震わせて怯えた目で見つめられる

夢｢ぁ、ごめん。シリウスって分かってるのに、体が強ばっちゃって｣

傍から見ても無理して笑っているのが分かった

ソファに座り小さくなっているボルベールを見て無性に触れたくなり、

夢｢ｯ｣

気づけばボルベールを抱きしめていた

夢｢私、自分のことを…過信、しすぎてたみたい。……上級生には無理でも、同級生ならもし何かされても、、反撃できるって｣

今にも泣き出しそうなか細い声で言葉を紡ぐ姿に彼女が同級生の友達以前にか弱い女の子であると再認識した瞬間だった

『無理して喋んな。だからスリザリンの奴らには近づくなって言ったのに』

夢｢ごめんなさい｣

『謝んなくていい。』

夢｢、うん｣

唇をかみ締めて泣くのを必死に抑えてるボルベールの髪にそっと触れる

暖炉の光でキラキラと煌めくシルバーブルーの髪を優しく撫でるとｳｳｯと嗚咽が聞こえる

抑えきれなくなったのだろう

言葉をお互い発することなくシリウスは壊れ物を扱うように自分の体よりも随分小さい体を少しだけ抱きしめる力を強めた

抱き合ったままどれほど経ったのか分からない

段々落ち着きを取り戻したボルベールは"ありがとう"と微笑み恥ずかしそうに女子寮へと入っていった

・

自分もそろそろ寝ようと思い部屋に入ると待ってました。と言うかのようにベッドに座って笑っている奴らが2人と船を漕いでいるのが1人

何も見なかったかのようにスルーして寝ようとすればジェームズにすかさず座らされる

『なんだよ、俺もう眠いんだけど』

ジェ｢いやいや！それは無いだろう！？せっかく君たちを2人きりにさせてあげたというのに｣

『別にお前らに話すことは無い』

顔を赤くしながら自分の胸に頭を埋めるボルベールを思い出しこいつらには話すものかと布団を頭から被る

リ｢その様子じゃいい雰囲気になったんだろう？｣

ジェ｢僕の方がずっとリリーのこと好きなのに君の方が先に進展があるなんて！｣

日付が変わる頃までシリウスとジェームズ＆リーマスの攻防は続いたそうだ