武道.敦▽ ページ14
ヒナに幸せになってほしい。
俺の好きな人たちには幸せになってほしい。
だけどそこに俺がいないというのは、なんとも苦しいと感じる。
それがおかしなことではないと思うのは、多分俺だけではない。
『好きな人の隣にいたいなんて普通のことじゃん？別に思ってるほど最低なことじゃねーよ』
敦｢…あわよくば別れてくんねえかなとか思ってるのって良いことではねえだろ｣
『そりゃそうか』
こんな弱気なあっくん初めて見た。
恋って人を変えるんだな。
案外こっちのあっくんのが素なのかも。
『弟的にはアドバイスってしづらいんだけど。でも姉ちゃん多分すぐ別れるよ』
敦｢え、何で｣
『なんか…なんとなく』
何だそれ、とあっくんが笑うとほぼ同時、あれ？と後ろから声が聞こえた。
聞き覚えのある声だ。
｢武道、敦｣
『姉ちゃん？何でこんなとこいんの？』
｢ここ通学路だけど。授業終わったから帰ってるの｣
まさかサボってたの？と呆れたようにため息をつく。
今日だけはゆるしてくんねえかな。
『帰りって一人？彼氏は？』
｢別れた。中途半端に付き合うのも失礼かなって思ってさ｣
敦｢…理由って俺聞いても良いやつ？｣
｢良いよ別に。…多分あの人は私のこと本当に好きなんだよね、自惚れじゃなきゃ。だからこそ別れたかった｣
公園前のベンチに腰掛け、隣を叩く。
促されるまま俺たちも座った。
｢私のこと忘れて次に行ってほしかったの。しんどい思いするのはあの人だと思ったから｣
敦｢…良いヤツすぎるよ、Aちゃん｣
｢超褒めてくれんじゃん。ありがとね｣
優しいねと笑うけど、その優しさが誰彼構わず向けられるものではないことを俺は知っている。
だからこそあっくんが気の毒だった。
敦｢…ねえAちゃん｣
｢ん？どした｣
敦｢Aちゃんがそんな風に色々考えちゃう原因って何？俺には言えない？｣
｢…んー、あんま言いたくはないかも｣
敦｢そっか。ならさあ｣
ベンチから立ち上がって姉ちゃんの目の前に立つ。
おい俺がいること忘れてないよな。
敦｢俺とデートしない？｣
忘れてるわ。
｢…え？｣
敦｢あ、構えないで。どっか出かけよってだけ。友達と遊びに行くって感じの｣
｢良いけど…｣
あっくんの顔を見て悟った。
上書きしてやるという決意だ、あれは。
良い誘い方だと思う、男見せたなあっくん。
俺がいるということを考慮してさえいれば、100点満点だったな。
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アヤメ - すごく面白いです！！夢主モテまくり！もっと愛され？まくってほしいです！全員と河田兄弟、灰谷兄弟ももっと絡んでほしい…！！更新応援してます！！ (2023年1月31日 2時) (
レス) id: 2cc13cb731 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - えっ！元カレがイヌピーだと・・・。 最高じゃないですか。 (〃`∀´〃)ウヒャ♪ (2021年11月11日 18時) (レス) @page4 id: 029eb9d67f (このIDを非表示/違反報告)
ちゃこ - エマ「…事情聴取！！」『ぐぇっ』机(？)叩いてズイッて近づいてそう (2021年10月6日 16時) (レス) @page2 id: 43861cdfb1 (このIDを非表示/違反報告)
ただのｦﾀｸ - 続編おめでとうございます！！応援してます！ (2021年10月4日 17時) (レス) @page1 id: 1fee27c7e2 (このIDを非表示/違反報告)
ドン - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです！ (2021年10月4日 15時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つか | 作成日時：2021年10月4日 13時
