谷地姉は妹を溺愛している

集合 ページ21

『で？これからどーすんの』



日向に言うと、いや…と俯く。

やっぱり何も考えてなかったなこいつ。

いや期待はしてなかったけども。

とりあえず謝りたいっていう気持ちだけ先走ってたんやな。



『あたしらが今作戦練ってる。なんも案無いんやったらええねん、聞いてみただけやから』

日｢すみません…でもおれに出来ることは何でもやります！言ってください！｣

『うんうん馬鹿素直でよろしい。じゃあ今日の夜一年全員連れてまたここ集合な』

谷｢今日の夜？｣

日｢事情説明とかできないっすよおれ｣

『ええんよ、ちょっと話あるとか適当言うて来てや』



それなら、と日向たちに諸々を伝えて解散させた。

仁花と愛莉の関係が誤解であることを分かっていそうなのは三年と一年。

二年はいまいち分からないのでまだ手は出さない。



『そういうことやから、今日の夜はちょっとマネ部屋抜けますね』

白｢うんおっけー。皆には適当な嘘ついといてあげる｣

『すんません色々。なんか買って帰ってきますね』



いいのに、と笑う白福さんは本当に可愛らしい。

愛莉が人工の計算された可愛さだとしたら白福さんは天性の愛らしさ。

だというのに強かで鋭い一面も持ち合わせている。



『ほんま白福さん可愛いですね』

白｢何急に、照れる｣

『白福さんみたいなお姉ちゃん欲しかったな』

白｢いいよ、お姉ちゃんなってあげる。雪絵お姉ちゃんって呼んでみ？｣

『いや恥ずいです！』



うりうりと白福さんにからかわれる。

この人は人の心掴むの上手そう。

いつか雪絵さんって呼ばせてもらお。





『…さあやってまいりました夜！』

月｢うるさい｣



隣に月島がいる部屋で私は叫ぶ。

と言っても部屋の外に響かないくらいだけど。


なぜ月島しかいないのか、それは日向たちが来ればすぐに分かる。



日｢ごめんAさん！自主練長引いちゃった！｣

『うん知ってた！』

山｢日向何急に…って谷地さんのお姉さん？｣

影｢あ？月島もいんじゃねーか｣

月｢僕がいたら悪い？｣

谷｢け、喧嘩しないで…｣



まとまりねえな一年ども。

多分だけど、山口とやらが将来1番大変そう。

頑張ってね。



『ごほん。何で呼ばれたか分かる？』



さっそく私は本題に入った。



月｢…僕はなんとなく｣

山｢…谷地さんとお姉さんがいるし、まあ｣

影｢分かんねえ｣



予想通り。

まあ全員味方にするだけよ。




『…聞いてほしいことが、あるんよ』

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