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足跡 ページ19

その日の夜、マネ部屋に戻ってからだった。

スマホがブブッと震える。

画面を見ると「ひとし」の文字。



『(結から)』



文面は、《稲荷崎の部屋に来い》とのこと。

だけど結らしくない文章だった。

やたら命令口調だし、短文ずつ《早く》《他には内緒で》とか、細々と送ってくる。

何だと思いつつもスマホと財布を持って部屋を出た。

水買ってきます、とだけ言って。



『おい来たで』



部屋の戸を叩くと中からバタバタと出てきたのは結ではなく角名。

何やら険しい顔をしていた。



『何その顔、おもろい顔しとんな』

角「イケメン捕まえて何言ってんだ。つかそうじゃねえんだよ、ちょっとこっち来て」



引っ張って来られたのは稲荷崎の事情を知っている2年生たちの所。

結と双子は私が来ると知らなかったのか驚いた顔をしていた。



銀「A?なんで角名と」

角「Aに限って俺とやましいことあるわけないでしょ。ちょっとお前らに聞いて欲しいことあんの」

『さてはさっきのラインお前か!』

銀「あっ俺のスマホロック解除したなコラ!」



それについては後で謝ると断ってから、本題に入った角名。

深刻な顔をしていたので真面目に聞く姿勢をとった。



角「…俺愛莉さんに目付けられたかもしんない」

『解散』

角「待てって。あいつがさっき相談してきたんだよ」



私と結を交互に見て言った。



角「…A先輩が侑先輩と浮気してますぅ…つって」

銀.侑「「……は?」」

『そう来るか』



なるほど、内部での分裂を起こそうって魂胆?

私たちが仲良いのは周知だし、引き裂いて愛莉派を作りたかったのか。


でも、愛莉もまだまだやね。




侑「有り得んわ」

銀「Aと侑に限ってそれはない」

角「青城の人もたらしこんでるっつってたけど、こいつがそんな器用なことできるわけねえのにな」



私らの絆、舐めんとって。



『はあ…あいつもうちょっと慎重にやるもんやと思ってたわ』

銀「まさかそう来るとは、あいつもアホやな」



私たちの関係が浅く見えてたのか知らないけど、その程度で崩せる関係だなんて思わんといて。

それに、この状況は好都合だった。

愛莉が動き出したのなら、あとは証拠をとっといて尻尾まで辿って掴むだけ。

所々詰めが甘いんよ、残念な子やで。




『断罪はもうすぐやな。覚悟しとけよクソ女』

ごめん→←日向の過ち



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アキバ - 二年以上前の作品にすみません!凄く面白かったので主様が良ければまた再開して欲しいです…!😭 (2月26日 0時) (レス) @page22 id: 7bbe8053e5 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - コーヒーゼリーさん» ありがとうございます!!! (2021年7月23日 20時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒーゼリー(プロフ) - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2021年7月22日 20時) (レス) id: be3c778e2d (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - さかさん» ありがとうございます!! (2021年7月10日 0時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
さか(プロフ) - はじめまして!更新待ってます! (2021年6月16日 20時) (レス) id: b49baaef6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つか | 作成日時:2021年5月1日 0時

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