谷地姉は妹を溺愛している

嫉妬される ページ16

その後、爽やかさん改め及川さんが皆さんに説明をしてくれた。

もちろん潰したいとかは誤魔化して。

愛莉の名前を出さずに喋るところを見ても、信用してよさげな人だ。



及｢そういえば何で俺の握手ナチュラルに断ったの？超ショックだったんだけど｣

『何でって…あたし彼氏おるし』

及｢あぁそゆこと。律儀な性格してるね、ピアスとか付けてるのに｣

『ピアスと律儀関係ないやろ』

岩｢というか、お前烏野のマネの姉貴なんだって？お前は宮城住みじゃねえのか｣

『あたしの父が小さい頃兵庫に転勤したんで、それに着いてっただけです』

及｢あ、岩ちゃんには敬語使うんだね｣



当たり前やろ。

私尊敬できる人にしか敬語使わない主義なんで。

少なくとも及川さんは初っ端から仕掛けて来たから尊敬以前の問題。


そう言うと怒りつつも返す言葉が無いという顔をした。

他の皆は大爆笑だった。



『てかまた試合始まるで。さっさと行け』

及｢雑だなぁもう！｣



バンッと背中を叩いて送り出す。

私もドリンク無くなった分作りに行こ。

そう思って振り返ると、何者かに阻まれた。



『うおっ…あ、結！』



顔面を軽くぶつけそうになったけど、すんでのところで止まる。

見上げた結の顔は何やら不機嫌そうだった。



『どしたん？今休憩中？』

銀｢…Aが絡まれとるように見えた。から、来た｣



なるほど、不機嫌の理由はそれか。

面倒くさいやつだと思うと同時に、めちゃくちゃに愛おしい。

人目を憚らず抱きしめたい。



『…後ろ何連れてきてんねん』

銀｢はっ？！あっお前ら！来んなって言うたろ！｣

侑｢やばバレた｣

角｢チッ背中に目ェついてんのかよ｣



アイツらが居なけりゃもっとイチャイチャベタベタ出来るってのに。



『…ギュッてだけ、してったら』

銀｢…俺の彼女可愛すぎる…｣



そう言うとぎゅっと包み込むみたいにハグする結。

後ろからヒュ〜！！とか聞こえてくるが、あいつらは後でシバくからほっとこう。

私は結の運動して少し熱くなった体を抱きしめ返した。

すると私から返されると思ってなかったのか、驚いた様子で離れる結。

もうちょいしてたかったのに、残念。



銀｢…珍しいな｣

『たまにはアリやろ？』

銀｢いやいつもそれでも全然アリ｣

『それはあたしがナシ』



その様子を恨めしそうに見つめる人物が1人。



及｢クソリア充め…｣

岩｢見苦しいぞ及川｣

及｢岩ちゃん酷い！｣

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