谷地姉は妹を溺愛している (ページ2)

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SOS ページ2

『あ、仁花からライン！』

とある日の休み時間のはなし。

目の前で一緒に話していた銀島結をほったらかして、遠慮なしにスマホを開く。

銀｢…ほんま、仁花ちゃんには勝てんなあ…俺彼氏様やぞ、こら｣

『ちょっと静かに一文字も余さず読みたいから』

銀｢…まあ通常運転で何よりや｣

結には悪いけど、結と話してる時よりもルンルンでスマホを開く。

ラインアプリを開き、私は仁花のトークルームをタップした。

『……あ"？』

見慣れた彼氏ですら驚きビビる程に溢れる殺意。

私はスマホの画面を割っていた。

銀｢お、おい！どないしてん！スマホ割れとんで、A！｣

『…っあ、え…ご、ごめん』

銀｢何があったん｣

ただならぬ私の異様さに真剣に目を見て聞いてくれる結。

私は結ならいいか、と思ってスマホの画面を彼に見せた。

銀｢…なんやねんこれ｣

私の殺意に勝るとも劣らない怒りを露わにする。

そして教室を飛び出した。

『ちょお待てや結！どこ行くねん！』

銀｢侑と治に声掛けや。烏野にカチコミに行く｣

『何考えとんねんアホが！』

あまりに本気の目をしていたので、流石に止めた。

私の彼氏は妹のことも大切にしてくれてるけど、何より短気なのが欠点。

私より怒ってどないするんや。

侑｢おいA、仁花が何やて｣

治｢どこぞのクソッタレに貶められたんやて？｣

角｢はっそいつ勇気あんね。Aの妹に手ぇ出すとか｣

結と仲のいいバレー部メンツが勢揃いした。

私は彼らを止めてるけど、本当にムカついてる。

人生で最大級に。

『…仁花から助けてくれってメッセージが来た。あの人に頼るのクソ下手クソな仁花が』

銀｢…どないする｣

『7月19日…もうすぐ夏休みやな』

侑｢やるんか｣

治｢何時でも手ぇ貸すで俺は｣

あの子がどん詰まりまで追い込まれたってことかい。

ほんまにええ度胸しとんな、顔も知らんそこの女。

『…絶対に潰す』

そう来な、と言わんばかりにいい笑顔をする彼ら。

こういう時は味方でいてくれてよかったと実感する。

『夏休みや。あたしは夏休み全部費やしてでも仁花の心を傷付けた犯人を叩き潰す』

銀｢確か烏野との合宿があったはずや｣

『それ、ちょっと利用させてもらってええかな』

侑｢しゃあないなあ｣

角｢ちゃんと奢ってよ｣

『奢りくらい安いわ。練習も絶対邪魔せん。ステージを貸してくれ』

妹に手を出した愚かな子よ、今に見てろ。