荼毘 ページ8
押し倒す
ト｢なんだか眠そうですね、Aちゃん｣
昨日は夜更かしでもしたんですか？と朝からヒミコは笑う。
彼女の指摘通り、昨夜はある小説を一気読みしていた。
気がついた時すでに時計は夜の2時を回っており、慌てて寝る準備をしたので寝不足だ。
荼｢ハッ、ブッサイクな顔｣
クマやば、と通りすがりの荼毘がさらりと罵って行く。
クマがやばい自覚はあるが、これでも隠したつもりだってのに。
荼｢今日お前と俺で○○ってとこ潰しに行くって聞いてるよな。足引っ張りやがったらその場で焼くからな｣
彼の威圧に少し身震いがして、眠気は少し覚めた。
少なくとも私はそう感じた。
荼｢はん、他愛ねえ｣
しかし私が足を引っ張る隙もなく、あっという間に荼毘が制圧を完了してしまう。
私は荼毘を待たせ、証拠隠滅等の後始末をしていた。
作業が終わると同時、おせえよノロマと声がかかる。
しかし文句は言わず待っててくれたのだから、さっさと戻らなければ。
そう思い立ち上がった瞬間、ぐわんと視界が揺れた。
足元が覚束なくなり、瓦礫に右足を引っかけてしまう。
あっと声を上げるのと、荼毘が手を伸ばすのはほぼ同時だった。
荼｢…チッ、どけよデブ｣
重いと言う声は私の下から聞こえる。
そろ、と目を開くと、荼毘のお腹に跨り地面に手をついている。
まるで押し倒したかのような体勢となってしまった。
荼｢膝血ぃ滲んでんじゃねえか。とっとと退けて洗えよ、汚ねえだろ｣
しかし悪態をついてはいるけど、心配しているようにも聞こえる。
彼なら下敷きになるのだって避けられたはずだ。
ついふふっと笑うと、それが気に入らなかったようで。
荼｢俺の上乗っておきながら良い度胸してんじゃん｣
私の首にそっと手を回し、顔を近づけた。
驚いて目を見張ると、ぱちんと背中で音が鳴る。
慌ててTシャツの上から胸元を押さえた。
荼｢ハッハハ！ザマァ｣
こいつ、中学生みたいなイタズラしやがって。
きっと睨むが、こいつにとって私の睨みなんて子猫の甘噛みよりも痛くないだろう。
ヘラヘラ笑う荼毘は今朝よりも機嫌が良いし楽しそうだ。
まあいいか、と眉を下げて少し笑う。
荼｢何許してくれんの？Aチャンありがと♡｣
キモイぞ、と隣を歩く彼の肩を叩く。
小さく笑ってまたからかうようなことを言う。
楽しそうで何よりだが、機嫌が良すぎる荼毘は面倒くさい。
またひとつ学んだ日であった。
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Lynn - Lynnだよ。リクエスト追加で、ナイトアイ様お願い。ナイトアイ様と夢主（自分）は夫婦関係でいたいから、呼び方はダーリン ハニーでお願い。コメントはタメで大丈夫。自分もヒロアカ見てるから。返事と更新待ってるよ (2023年2月7日 17時) (
レス) id: 3d10a0695d (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - ネココアさん» ありがとうございます！推し様かっこよく書けていたみたいで何よりです♡ (2023年1月20日 1時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ネココア - 推しがかっこいい！！面白かったです！！！ (2023年1月19日 22時) (レス) @page45 id: 429eb29e9c (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - シュウマイ美味しいさん» ご感想とリクエストありがとうございます！！とても嬉しいです♡天喰くん書かせていただきました！勝手に同級生にしちゃいましたが書くの楽しかったです！ありがとうございました！ (2022年11月7日 13時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
シュウマイ美味しい - 面白かったです。できるなら天喰先輩お願いします🙇♀ (2022年11月5日 19時) (レス) id: 92bc3ece60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つか | 作成日時：2022年10月9日 17時
