相席5(大学生) ページ5
晴れて大学生になって、初めての夏休み。
私は露伴の自宅にお泊まりしていた。
特別に何かするわけではなく、ただ二人でだらだらしてるだけ。
といっても、露伴の方はほとんど仕事をしてるけど。
『お風呂失礼』
岸｢髪乾かしてから出てこいって言ってるだろ｣
テレビを観ながらそう言った。
髪の毛を適当に拭きながら露伴の目線の先を見る。
興味のある番組がないらしく、数十秒眺めては変えてを繰り返している。
岸｢この季節はビーチ特集とかホラー特集とかばっかりだな｣
『そうだね、まあ夏だしね』
つまらんと言ってあるチャンネルに切り替えたままリモコンを放り投げた。
たまたまホラー映画になっていて、私はぱっと顔を背ける。
露伴はそんな私を一瞥し、にやっと笑う。
嫌な予感がする。
岸｢…苦手なのか？｣
『…別に？』
岸｢そうか、なら隣に座れよ｣
一緒に観ようぜとソファから手招きした。
この場合どう答えたところでこういう反応が返ってきただろう。
結局どちらを選んでもこうなってた、そう思うと足はソファに向かった。
半ば諦めというやつだ。
岸｢意外だな？君ホラーとかいけるタイプなんだ｣
『…まじムカつく…っびっ…くりしてない』
岸｢ははは、愉快だ｣
本当に性格が悪い。
私が怖いのは突然大きな音が鳴ったりする演出であって、幽霊そのものじゃない。
そう言い訳したところで笑われるだけだろう。
それならいっそ、最後まで意地を張り続けてやる。
岸｢…CGの演出は悪くはなかった。それに脚本家は僕が好きな映画を書いたやつだ｣
次回があれば観るか、と満足そうにうんうんと頷く。
しかし、と私を見てまた笑う。
岸｢本当に苦手なんだな｣
『もう黙って…』
岸｢何を言う。恋人の新たな一面を発見できて嬉しいんだよ、僕は｣
面白いの間違いだろうが、この男。
私が怖さで泣きでもすれば心配したかもしれないけど、それほどまで苦手というわけでもない。
中途半端さが仇となった。
岸｢もう1時か。僕は寝る｣
『私も』
一人でこんなだだっ広いリビングに置き去りは辛い。
露伴の後ろを辿るように寝室に着いて行った。
笑い堪えてるの見えてるから。
岸｢電気消すぞ｣
パチ、と容赦なく電気のスイッチを切った。
気遣いとかないのか、私に対して。
しかし意地を張ってても怖いものは怖い。
既に寝息を立てている露伴の背中に、そっと抱きついた。
『…あったかい』
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しゃけなすび - 更新されてる！尊みが深い！主人公の包容力ｪ．．．お体に気をつけて、更新頑張ってください！！ (2022年9月28日 20時) (
レス) @page10 id: e3cfd56ac4 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - しゃけなすびさん» ありがとうございます〜！！！ながらく止まってましてすみません… (2022年9月28日 4時) (レス) @page9 id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけなすび - はい最高~~~~~。熟年すぎるだろこのカップル。なんなのも~~~~。尊すぎる~~~~~。そしてそんな尊みが深い作品を書いてくださってるつかさんに感謝しかありません。ほんとに好きです...体に気をつけて頑張ってください！ (2022年6月27日 17時) (レス) @page8 id: e3cfd56ac4 (このIDを非表示/違反報告)
つか(プロフ) - Nologic_jcatさん» ありがとうございます〜！！見てくださると…思っていましたよ……… (2022年6月17日 14時) (レス) id: 28e8a4d2b7 (このIDを非表示/違反報告)
Nologic_jcat(プロフ) - 過保護気味露伴になってるのホント喜んで泣いちゃう勢いです……、好きです。神作品の続きをありがとうございます…、 (2022年6月16日 1時) (レス) @page7 id: 43713de11f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つか | 作成日時：2022年6月13日 0時
