相席喫茶・外伝

相席2(結婚後) ページ2

※微R15



露伴と結婚して１ヶ月が経った。

二人で暮らす生活にも慣れてきて、お互い落ち着いてきた時期だった。



岸｢…｣



こうやって露伴が黙りこくってる時は、決まって何か決断に迷っている時だ。

と、私は勝手に思っている。

違うかもしれないけど。



『露伴？どうかした？』

岸｢…いや、どうもしてない。…いやしてると言った方が正しいのか｣

『どっちなんだ…』



まあいいや、と私は露伴に背を向けた。

私が放っておいても勝手に自己解決するんだ、この人は。

無理に関わらないのが吉。

そう思ってお風呂に向かったのに。



『…どうしたの？』

岸｢…なんだ、その…ふ、風呂はゆっくり浸かれよ｣

『うん』



湯船に浸かりながら様子のおかしい露伴のことを考える。

そして私は気づいた。

もしかしたら、だけど。



『(…あれって、お誘い？)』



そうかもしれない。

今まで露伴から誘われたことはなかった。

いつも私からだったたし、そもそも彼はそういうのが好きじゃないように見えた。

だからなおのこと意外だったし、さっきの言葉と態度がそれについてのことなんだとしたら。

あまりにも愛おしすぎてどうにかなりそうだ。

こうなったら誘いやすくしてやるとしよう、私が。



岸｢あがったか…ってな、何だその格好は！｣



下着じゃないか！と顔を赤くする。

そうそう、そういう初心な反応が見たかったんだ。



『キャミソール。可愛い？』

岸｢かっ…レースのデザインが良いと思う…が…｣



服を着ろ、と視線を逸らす。

項まで真っ赤になってるの、隠せてないよ。



『ね、ちゃんと見てよ。露伴に見せる以外の予定ないんだからさあ』



後ろからそっと抱きつく。

普段なら鬱陶しいって振り払われるだろうけど、そうしないってことは気分が高まってるってことだ。

あとひと押し、そう思った時だった。


がしっと顔を掴まれて、唇を押し付けられる。

入れられたこともない舌を捩じ込まれ、未知の感覚に襲われた。

そのまま長いキスが続き、私の腰が抜けたと同時に唇も離れた。



岸｢…は、絶景だな｣

『そ、んなキス…どこで、覚えたの』

岸｢さあな？…ところで、そういう格好をわざわざしたってことは、分かってるんだろ？｣



私を抱えてベッドに雑に投げこむ。

ぎし、と私に覆い被さった。



岸｢今日は手荒に君を抱く。…Aが悪いんだぜ｣



明日、腰動きますように。

そんなことを願い、私はそっと目を閉じた。

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