【実|況|者】それでも好き【男主短編】

天然タラシは辛い#1【arm.eoh】あやと様リクエスト ページ18

昔から他人によく言われてた事がある
『A君って天然タラシだよね』

同クラスの女子から言われたり元カノから言われたりしてたが、俺には全く意味がわからなかった

人の良い所を褒めて何がいけない？素直な気持ちを伝えてはいけないのか？

どうしても俺はスッキリしなくて、何年間天然タラシを否定してきた




成人して、なるべく天然タラシが出ないよう生活してたのだけれど、またその癖が出てしまったようだ


しかも相手は俺の親友のあろまとえおえお。現在両腕を2人に引っ張られていて互いに譲る気が無いそうだ

「あろま離して、Aが嫌がってる」

「はっ、えおえおが離せや。Aは嫌がってなんかねーし」

「俺はAにプリンの味見してもらう約束したの」

「こっちだってAと写真撮り行く約束したべや」



うん、2人の言ってることは正しい

というか約束した。二つとも約束した。



えおえおには『お前の作るプリンは凄い美味しいな。プリン苦手だったんだけどえおえおのは美味しいって感じる』だったり、あろまには『あろまは写真撮るの上手いね。俺、上手く撮れないからこんな風に撮れるの羨ましいよ』とかだったり



確実にやっちまった感がはんぱない
俺何してんだ俺！！



何とかこの場を落ち着かせようと俺は口を開いた


「あー、あのさ、2人とも」

「「何？/あぁ？」」

「とりあえず腕離して、痛い」

そう言うと2人は渋々離れ……


…てはくれたけど今度は腕に絡みついてきた。彼女が彼氏によくやるアレ。アレの体制をとってきたぞこいつら

「「これなら痛くないでしょ/痛くねぇだろ」」

「あっ、ハイ」

心気遣いありがとうございます

ふりだしに戻った感を感じながら唸っているとえおえおが俺の顔を覗き込むように近づいてきた

天然タラシは辛い#2【arm.eoh】あやと様リクエスト→←子供体温【fb】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す