ねぇ先輩、【kn】 (ページ3)

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好き、ってなに。

その疑問がグルグルと頭を回って、午後の授業は集中出来なかったし、部活だって半分上の空だった。

「A、大丈夫か？熱とかあるんとちゃうか？」

『コネシマさん……大丈夫です。少し考え事してただけです』

一緒に帰っているコネシマさんに顔を覗きこまれ、それに笑顔で返した。
…大丈夫。ちゃんと笑えてる。

「…そか。ならええわ」

少し寂しそうな顔をしたコネシマさんに申し訳なく思いながら、もう一度大丈夫です、と呟いた。

『そ、そういえば、コネシマさんは幼なじみとか居るんですか？』

「ん？おん。居るで」

『…ど、どんな人なんですか？』

わざとらしく話を変えた。

心臓が痛いくらい鳴っている。

「せやなぁ…普通にええ奴やで？てか、急にどうしたん」

『少し…気になるなぁって思って』

「嫉妬してくれるんか」

立ち止まったコネシマさんと向かい合う形になって、瞳が交わった。

マリンブルーの瞳はまっすぐ私を見ているのに、耳を真っ赤に染めているから、可愛く思えてきて笑ってしまった。

『ふふ、耳真っ赤ですよ。コネシマさん』

「なっ、しゃーないやろ！！」

……ごめんなさい、コネシマさん。

嫉妬、しないです。

多分、私、コネシマさんの事好きじゃないと思うんです。

これから、好きになるかもしれないじゃんか。

嫌な思いは、ゴミ箱に捨てた。

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