ねぇ先輩、【kn】 (ページ1)

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「…なぁ、お前のこと好きなんやけど。付き合ってくれへんか？」

そう、サッカー部の先輩であるコネシマさんに言われたのは、私がサッカー部のマネージャーになって数ヶ月経った夏の事だった。

放課後というのに、ジリジリとアスファルトの熱が体を包む。

『……なんで、私なんですか？』

「さぁ…なんでやろなぁ」

コネシマさんとは、小学校の頃、同じサッカークラブだった事がある。

私は、とある事故で膝を痛めて以来サッカーは辞め、その代わりにマネージャーとして支える事にした。

サッカーが上手かったコネシマさんは、推薦でこの高校に。私は、レベルの高い選手をサポートする為に。再会するのは、もはや必然だった。

……だから、コネシマさんが私を好き、なんて。
きっと何かの思い違い。

「…ダメか？」

『……私なんかで良ければ』

思わず心にも思ってない事を口に出したのは、幼少期の淡い恋心が目覚めたから。

すき、だった。
サッカーに夢中なあのキラキラした顔も、人一倍努力している姿も。
全部全部、私には無いもので、嫉妬して、惹かれた。

高校になってもそれは変わらない事で、むしろもっとカッコよくなってるのは目に見えて分かるものだった。

……だから、ほんと。

「Aがええんや」

割れ物を扱う様な手つきで抱きしめられる。

しっかりと付いた筋肉と、部活終わり特有の汗とミントの混ざった香りが、私の胸を痛めた。

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