スマイルください！【zm】 (ページ6)

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スマイルが6個ページ6

なんだかんだ言って優しいゾムは、結局教科書を見せてくれた。おかげで先生に当てられた問題も難なく……とはいかなかったけど、ゾムが教えてくれたからセーフ。

「テスト近いけど大丈夫なん？」

『テスト前には勉強するから大丈夫』

ぶい！とピースサインを出せば、「そういってテスト前に泣きついて来んなよ」とバッサリ切り捨てられた。
悲しい。
そう言いつつ教えてくれるって知ってるもんね。

その後の授業は半分くらい寝てた。ちらり、と隣を見ればパーカーに顔を隠しながら寝ているゾムがいた。
バレちゃえ、と机を軽く叩けばビクリ、も肩を揺らしてゾムが起きる。

何事も無かったような顔してるけど、本当は心臓バックバクなの知ってるからね。

声を出さないように肩を少し揺らせば、ゾムにバレたのか睨まれた。先生に起こされるよりマシじゃんけ。ありがたいと思えよなぁ。

まぁ案の定、授業終わり1番最初にゾムが不服そうに口を開いた。

「もうちょいマシな起こし方あったやろ」

『肩叩いて起こされたかったって話？』

「違うわ！」

おかげで目覚めて良かったじゃん、とは言わなかった。どうせ言ったところで文句言われそうだし。

『今日もバイト？』

「シフトは絶対教えんわ！」

『帰り道だからレジやってたら分かるんだよなぁ、これが』

まじ最悪や…と項垂れるゾムにどんまい！と肩を叩けばもっと項垂れた。
慰め方間違えたかな。

『じゃーね、ゾム』

「部活頑張ってな」

ヒラヒラ、と手を振るゾムに手を振り返して私は教室を出た。
1年の時も同じクラスで、その時はゾムと途中まで部活に行ってたのになぁ、とか。その時はじゃーね、じゃなくて部活頑張ろーね、だったのになぁ、とか。

校庭から見える文武感で頑張るゾム見るの、結構好きだったんだけどなぁ。

顔は見えないけど、綺麗に1本取るゾムの姿はきっと私しか知らない。