スマイルください！【zm】 (ページ4)

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スマイルが4個ページ4

『おはー』

「おー、朝練か？」

陸上部は授業が始まる1時間前から練習がある。強制じゃないし、出てるのは私を含めて数人だけど。

『そうそう。コネシマもでしょ？』

目の前を歩いていたコネシマはサッカー部で、陸上部とは隣合って部室がある。クラスは違えど、同じ校庭で練習していればそこそこ仲良くなった。

「せやねん。強制やから休むにも休めないんやわ」

まだ眠い、とゴチるコネシマはいつもの声量はなく、心做しかイケメン度合いも低い気がする。

部室から離れた校庭に向かいながらコネシマにゾムのバイトの話を持ち出す。

『ゾムがバイトやり始めたって知ってる？』

「あー、そうらしいな。なんか話しとったわ」

『昨日偶然見つけちゃってさぁ』

アップルパイとスマイル買った、と付け足せば突然響く引き笑い。
ぎょっとして隣を見れば、バンバンと肩を叩いてくる。痛い痛い…ほんと痛いな！？

やめろやめろ、と距離を取るも笑いは収まらないのか、くつくつと肩を震わせている。
おかげで同じ朝練の人には見られるし、職員室にいる教師にはうるさいぞ！と怒られた。確かあれは兄さん先生。

『コネシマのせいで怒られた』

「いやぁ、すまんな！」

謝る気もなさそうだな。眠気も覚めたのか、それでどうやった！と意気揚々と尋ねてくる。校庭はもう目の前だと言うのに……。

『はいはい、後でね。お互い練習頑張ろ』

「せやな！じゃ、また後で」

朝の涼しいような寒いような風を感じながら、私も小走りで部活メンバーの元に向かった。