スマイルください！【zm】 (ページ20)

今日:17 hit、昨日:5 hit、合計:28,853 hit

スマイルが20個ページ20

朝練終わりに外の水道で手を洗っていれば、佐山先輩、と後ろから声をかけられた。

『おつかれ、ショッピ君』

「うっす、佐山先輩もお疲れ様です。毎日朝練出るなんて凄いっすね」

俺なら無理ですわ、とどこか皮肉めいたことを口にするショッピ君は額から汗が流れている。早起きしなければいけないし、朝からの運動はキツい所があるのだろうか。

ちょっと私には分かり兼ねるけど。

『じゃ、私はもう行くから』

「あ、はい。また委員会で」

ひらひら、と手を振ってショッピ君と別れた。

＿＿＿＿＿＿
______

教室に着けば既にゾムが席に着いていた。珍し〜〜、いつもはギリギリなのに。

『おはよ、ゾム』

「え、あ、おおぅ」

スクバを机の横に掛けながらゾムに声をかければ、視線を揺らしながら吃られた。

…うん？

放課後以外はフードを脱いでいるのに、珍しくフードを被り直している。

『え、なになに。私なんかした？』

「な、なにもしてへん！」

『ならなんで視線合わせてくんないの？』

ねぇ、とゾムの視界に周り込めば、フードの裾をグイグイと引っ張って目を隠された。なんだか、初めて会った時以上に警戒されてるというか、恥ずかしがられてるというか。

なにもしてない、と口にする割にそうもあからさまに視線を逸らされれば私だって気になるし、多少なりとも傷つく。

「ばっっっっ、あほ！！！！」

『はぁ！？』

ガタガタっ、と勢いよく立ち上がったゾムは私に暴言を投げつけて教室から出て行った。

『……なんなんだよ、ほんと』