スマイルが18個 ページ18
結果だけ言うと、ゾムはいた。
さらに言うと、近くの高校の制服を着た女子3名のレジをしていた。私たちと同じタイミングで入った子たちだ。
流石に他のレジは空いていたのでそちらの方に行くしかなく、ゾムとは話せない。コネシマとシャオロンは女子に絡まれてあたふたしてるゾムを見れただけで満足らしい。
『私ジンジャーエール。コネシマゴチになりまーす』
「俺は新作バーガーと……オレンジジュースで」
同じくゴチでーす、とシャオロン。
レジ前で会計を揉めるつもりがないのか、コネシマは何も言わずに払ってくれた。ひゅー、男前ー！
「あとで払えよ」
「けーち」
『ケチんぼー！』
「だぁっとれ！」
レシートを受け取ったコネシマとじゃれていれば、ゾムのレジの方でえー！っと甲高い声が聞こえた。女子特有のちょっと高めの、猫をかぶる時の声。
3人で振り返れば、女子高生達はカウンターに身を乗り出していた。
この時間帯はバイトの人しか居ないのか、ゾムに助け舟を出したいけど出せないというような雰囲気がレジの奥から感じる。
「うわ、ないわ……」
シャオロンがボソリと呟いた。
どうやら女子高生たちはスマイルちょーだい！と話しているようで。
ゾムも頑張って笑顔を作っているようだが、もっと自然なの！と女子高生の方が強い。
……あー、なんか見てるの嫌かも。
『先に席座ってて。追加で注文してくるわ』
「え、おう」
「ほどほどにしとけよー」
コネシマ達は注文した物を受け取って、レジが見える場所に座った。スマホ構えてるのやめよ？大人しくハンバーガー食べてて？
『注文良いですか？』
女子高生の奥から少し大きめの声で、猫かぶりした高めの声で、しっかりゾムと視線を合わせて、ニコリと笑った。
あ、私結構キレてるかも。
貼り付けた笑顔のまま口を開く。
『お兄さん、テイクアウトで』
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