スマイルが15個 ページ15
「最近来ないやん」
『んー？なにが？』
放課後にある委員会の集まりの為に必要な書類を清書していれば、ゾムがつまらなそうにこちらを見ていた。
「……バイト。来ないやん」
『なに、来て欲しいの？』
「べっ、別にそんなんやないわ！」
慌てたように顔を赤くしたゾムは、調子乗っとんなよ！？と騒いでいる。
調子は乗ってないし、そのセリフがどう見ても雑魚モブなんだけど。
おもしろ、とニヤニヤしているのかバレたのかガッ、と顔面をゾムの大きな手で掴まれた。
『い、痛い痛い、ちょ、ほんとにミシミシ言ってるから！』
「俺そこまでゴリラやないで」
『十分ゴリラですけど！？』
満足したのかパッ、と離された。なんなんだ、こいつ……。
「部活、忙しいん？」
『え、？あぁ……まぁそれなりにね。体育祭が終わったら高総体にテストだし』
「そっか……俺も勉強せなあかんなぁ。アイツらも忙しいみたいやし」
一瞬だけど、ゾムが寂しそうな顔をした。すぐに表情戻ったけど。
……人見知りのくせに寂しがり屋だからなぁ、こいつ。どうせ私やコネシマ達と遊べなくて拗ねてるんだろう。
しょーがない。私がゾムの為に人肌脱ぎますか！
『ね、ゾム。楽しみにしといてね』
「……何するつもりや、お前」
ろくでもないことしようとしとるんやろ、とジト目を向けられる。私、今までそんな事した記憶ないんだけどな。
あ、もしかして怪我した時にペ神先生呼んできて、怪我の処置(と称して全身触ってる)されてるゾムの事爆笑しながら動画撮ってた事かな？
あれは不可抗力。うん。しょうがないしょうがない。
『ま、楽しみにしなって！』
「返品しまーす」
『交換不可でーす』
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