七歩 ページ4
『ふふ、可愛い』
目の前にあるのは、数日前にトントンさんから貰ったテディベアだ。
中に綿が入っている割に、少し重い質量が胸を幸せにする。
『名前、何にしようかな』
昔から、人形やぬいぐるみは大好きだった。一緒に寝たり、お出かけしたり。時には、愚痴を聞いてもらったり。
今までのぬいぐるみにも名前を付けた通り、このテディベアにも付けたいな、なんて。
『……トントンさん…トントン……トン』
ふふ、トン。トンかぁ。
名前を付けると、更に愛着が湧いてしまう。
『…あ、そろそろご飯にしよーっと』
炊飯器の音に立ち上がると、あの日のようにインターホンが鳴った。
『はーい、ってトントンさん？どうかしました？』
「これ、作りすぎちゃったので……良ければ貰ってくれませんか？」
そう言って、タッパに詰めた肉じゃがを見せてきた。
え、美味しそう……これ、私より料理出来るんじゃないの……？？
『良いんですか！？私まだご飯食べてなくて……』
「ならちょうど良かったわ。俺は食べたんやけど、流石に作りすぎてもうて…」
『ありがたくいただきますね』
少し時間が経っているはずなのに、受け取ったタッパは熱いくらいだ。
…これ、私の為に温めてくれたのかな。
そこまでの気使いに、今日の疲れが吹き飛んだ。
「タッパはいつ返してくれてもええから」
『早めに返しますね』
再びお礼を言ってから玄関の扉を閉めた。
『いやぁ、タイミング良かったな』
これで夕食の1品作らなくて済む。
『ん、おいし』
味の染みたジャガイモは、何となく味が濃い気がしたけど、これもトントンさんの家の味だと思えば食べられる。
タッパに詰められた肉じゃがを食べきる頃には、すっかり私の胃袋は掴まれていた。
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伊玖(プロフ) - 赤月奏楽さん» 苦手なのに読んでいただきありがとうございます〜！！雲行き怪しい笑…そうですね、ヤンデレになるように頑張りました！ (2021年3月7日 7時) (
レス) id: bedb32b5c2 (このIDを非表示/違反報告)
赤月奏楽 - 推し作者様のネタ提供で推し作者様が小説を書いてくださるなんて…神としか言いようがないです！ヤンデレは避けて通るようにしてたんですけど、だんだん雲行きが怪しくなっていることに気づきながらも最後まで読んでしまうほど面白かったです。ありがとうございました。 (2021年3月7日 5時) (レス) id: 0a13c144ca (このIDを非表示/違反報告)
伊玖(プロフ) - 海さん» 気に入ってもらえたようで何よりです〜！！ヤンデレを書くのは初めてなので、上手く書けるか心配だったので、そう言って貰えると自信がつきます！！ありがとうございます！ (2021年3月6日 22時) (レス) id: bedb32b5c2 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - 自分、基本的に長編が好きなんですけどこの、話数だけなのにすごい緊張感とワクワクが止まりませんでした！30話ぐらい読んでる気分でした！本当に面白かったです！ (2021年3月6日 22時) (レス) id: 13c2694581 (このIDを非表示/違反報告)
伊玖(プロフ) - こねまるさん» わぁ〜！！ありがとう！！！これから怒涛のラッシュぶちかますんで、待っててください！ (2021年3月6日 15時) (レス) id: bedb32b5c2 (このIDを非表示/違反報告)
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