な ページ5
ビリビリに破き捨てた婚姻届と、指輪はその日のうちに捨てた。
その日のうちに引越しもしたかったけど、貯金が心もとないから出来なかった。代わりにネットカフェで生活するようになった。
あの家には週に1、2回洗濯物をしに行ったり、配達物が来てないか確認に戻るだけ。
たまに行ってたあのコンビニだって、もう行ってない。というか行けない。あの呂簿九とかいう男が居ると思うと全身が震える。
シャオロンに相談もした。もう迷惑とか、申し訳ないとか、そんなの言ってられる程私は冷静じゃなかったのかもしれない。
シャオロンが一緒に帰ってくれるからなのか、外で感じる視線はなくなった。最初から相談してれば……なんて後の祭りだけど。
「ごめん！緊急の書類作らなあかんくなって、今日は一緒に帰れへん！」
『良いよ、大丈夫。最近は視線も感じなくなってるし。諦めたんじゃないかな？』
「そんなわけないやろ…。本当は待っとって、って言いたい所やけど、遅くなるしなぁ」
心配を顔に滲ませるシャオロンに大丈夫、と笑って会社を出たのが15分前。
今日は洗濯物を回すために家に帰って、その後明日使う資料をまとめる予定だ。夜遅くなる予定だから、ネットカフェには行かないで家で就寝。
頭の中で色々計画を立てていると、後ろから足音が聞こえてきた。
別におかしい事じゃない。向かう先が同じ人がいるかもしれないし、と自分に言い訳をする。
逸る心臓と共に加速する足。それを追いかけるようにして足音も早くなってくる。
心臓が痛い。息が上がる。
もうこうなったら走るしかない、と心を決めた瞬間、ガッ、と手首を掴まれた。
『やっ、離して……！！』
「ちょ、殴らんでって！俺、俺やって！シャオロン！」
『えっ……あ、シャオロン…？』
やっぱ心配やったから、と肩で息をするシャオロンに私は涙が出てきた。じゃあ、あの足音もシャオロンの……。
『もう、それなら最初から声掛けてよね。変に後ろつけてくるからストーカーかと思ったんだから』
涙を拭いながらシャオロンを見上げれば、キョトンとして首を傾げられた。
「そんな事してへんで？Aがストーカーに悩まされてん知っとるんに、そんな事せぇへんって」
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伊玖(プロフ) - 田中さん» ありがとうございます！やっぱり良いですよね！私も大好きです！ (11月3日 13時) (
レス) id: cfc4f23860 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - 完結おめでとうございます！気持ち悪いrbrさん大好きなのでとても嬉しいです (11月1日 22時) (レス) @page10 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
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