【wrwrd】感情のない少女が好きすぎる幹部達の狂ってる日常【zm】

続き ページ21

ピッタリとくっついている間に来たキャビンアテンダントはAが同じ席に居ることに大して驚いたのか、はたまたファーストクラスに乗っているのが子供だったのに驚いたのか分からないが、とりあえず驚かしてしまった事に関しては申し訳ないと思う。だがまぁ、向こうもプロ。すぐに表情を戻すと

「お食事はこちらの方に運んだ方がよろしいでしょうか？」

と聞いてきた。頷くだけで返すと

「かしこまりました。少々お待ちくださいませ。」

とお辞儀して恐らく機内食を取りに帰っていく。しばらくして戻ってきたキャビンアテンダントは機内食を置いてまた戻って行った。

「A、何食べる？」

置かれたトレーを見てAに聞く。Aはそんなに食べないからゾムが2食分食べる事になるだろう。案の定生ハムとピクルスを食べた後は何も手をつけず、ゾムが食べるのをじーっと見てるのだった。

「A、あーん。」

ゾムが言うと、Aは言われた通り口を開く。ゾムはその口にサーモンのソテーを1口分入れた。

「美味しかった？」

そう聞くとこくんと頷くのでもう一度1口分をAの口に運ぶ。

やがて、(ゾムが)全部食べ切ると、Aは再びゾムに引っ付いてきた。心做しか眠そうである。

「大丈夫やで。飛行機まで暗殺者は来とらんから。」

ゾムがゆっくりと頭を撫でるとAは目を瞑る。食事をとるという行為を覚えたのも眠るという行為を覚えたのも軍に来てからであり、まだ食べるのと寝るのに関しては許可なくはしないのでこうやって食べる、眠るの許可を与える必要があるのだ。

やがて、Aから寝息が聞こえてくるのを確認すると、自身も目を瞑る。




まだ見ぬ異国の地を目指して。

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