＊隣のキム家＊2 (ページ24)

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"いつもの場所で待ってて"

そうソクジンに言われて来たのは、家の近くにある小さな丘の上

小さい頃は、親に怒られたり、友達と喧嘩したり、何かあるとここに来て街を眺めていた

そしてそんな私を、「Aいた！」と笑いながらいつもソクジンが迎えに来てくれるのだった

『あの時の約束なんて……覚えてるわけないかぁ…』

昔のことを思い出して、つい独り言が零れる

JN「……A！」

懐かしい思い出に浸っていると、少し遠くから名前を呼ぶソクジンの声が聞こえた

JN「ごめん、お待たせ！」

『ううん、私も今来たところ。』

JN「そ、そう？ならよかった…」

き、気まずい…！

何とも言えない空気が私達の間を漂う

JN「…ここ久しぶりに来たよ。Aは？」

『私も。昔はよく来てたのにね。』

JN「よくAがいじけてるのを迎えに来たよ。」

『いじけてはなかったでしょ！』

丘の上にあるベンチに座って話し出せば、なんだかんだいつも通りの雰囲気に戻ってホッとする

JN「あれ覚えてる？小学校の劇の時さ…」

『ソクジンが探しに来てくれて、ふたりで寝ちゃった時でしょ？』

JN「そうそう！起きたら暗くなってて…すごい怒られたよね。」

あれは、小学校の発表会で劇をやることになった日のこと

その頃からモテていたソクジンは、王子様役に推薦されていて

今思えばめちゃくちゃ恥ずかしいが、その時の私は幼心にソクジンの相手役をやりたくて、お姫様役に立候補した

結果、私ともう一人の女の子でジャンケンをして私が勝ったのだけど、負けた女の子が大泣きしてしまい、結局お姫様役を譲ったのだった

その時は我慢したけどやっぱり悲しくて、この丘の上で泣いていた私を、いつものようにソクジンが迎えに来てくれた

JN「……あの時言ったこと、覚えてる？」