【文スト】素敵帽子の溺愛する彼女は最強無敵の電撃姫

電撃×33 馴れ初め編 end ページ35

『どうして来たんや…もう、会うつもりなんてなかったんに。』


『どうしてこないな気持ち、思い出させるんやッ』

(寂しい、苦しい、1人はもう嫌なんだ…誰か、
ダレカッ！)


握る拳に力がこもる。


「手前が居ねぇと、寂しいんだよ。」


耳元で囁かれる中也の哀愁(あいしゅう)に濡れた声。



「手前がここに居ることを望むなら俺もここで生きてやる。だが、手前は外がいいんだろ？だからおれが連れ出してやる＿＿。
俺と共に生き俺と共に死ね、A」


わかっている。どんなに時間をかけて育んだものでも、散る時は一瞬。

泡の様に消えてしまう。


わかっていた。でも知って仕舞えばもう、元には戻れない。


ぶっきらぼうで投げやりなその言葉に愛しさを感じるあては狂っているのだろうか…


中也の背中に手を回し抱きしめ返す。


『あんたん隣で、あてを死なせてーー…。』

あんたの隣で死ねるならそれも悪ぅないと、思えてしまうのだ



〜 馴れ初め編 end 〜

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